つるむらさきは、真夏を旬とする青菜です。栄養価が高く夏バテ対策にもぴったりです。ここではつるむらさきの持つ栄養素やおいしい食べ方、少し変わった花の特徴などをご紹介します。
つるむらさきの特徴
つるむらさきは、つるむらさき科・つるむらさき属のつる性植物の総称です。原産は東南アジアですが、約2000年前から中国南部から東南アジアにかけて広く栽培されてきました。
日本でのつるむらさきの歴史は古く、江戸時代には伝わっていましたが、主に観葉植物や紫色の染料として使われていました。食用の野菜として栽培され、食べられるようになったのは、1970年代になってからです。
つるむらさきの旬
つるむらさきが店頭に並び始めるのは、3月頃からで、旬は6月~8月頃です。代表的な夏野菜と言えますが、一方、ハウス栽培も盛んで、ほぼ通年流通していいます。
つるむらさきの産地
つるむらさきは、宮城、福島、山形県の3県で全国の約6割を生産しています。その他、徳島、埼玉、千葉県でも生産が盛んです。
つるむらさきの種類
つるむらさきには、つるが紫色のもの(紫茎種)と、緑色のもの(緑茎種)の2種類があります。原種は紫茎種ですが、緑茎種の方が味が良いため、現在市場に出回っているのは主に緑茎種です。紫茎種は、紫色のつるが料理のポイントとして使われたり、観賞用として栽培されています。
つるむらさきの花
つるむらさきの花には花弁がなく、薄いピンク色や藤色のがくへんが5枚あり、濃い紫色の果実1個に種が1粒入っています。夏から秋にかけて、白やピンク色の花が咲き、花や葉、つるが全て食用にできます。
つるむらさきの名前の由来
つるむらさきの名前の由来ですが、紫色の果実が染料に使用されたことから、つるむらさきと命名されました。ほうれん草と味が似ていることから、「インドのほうれん草」と呼ばれることもあります。
学名 | Basella alba, Basella rubra |
分類 | ツルムラサキ科ツルムラサキ属 |
原産地 | 熱帯アジア |
中名 | 落葵、藤菜 |
英名 | Malabar spinach, Indian spinach |
別名 | セイロンホウレンソウ |
おいしい時期 | 7月〜10月 |
つるむらさきの栄養素と効能
つるむらさきは、青菜が少ない真夏を旬とする貴重な栄養満点の青菜です。カロテン、ビタミンC、ビタミンB2、カリウム、カルシウム、鉄などが豊富に含まれているため、骨粗鬆症の予防や風邪の予防、疲労回復効果などが期待できます。夏バテ対策にも良いでしょう。
エネルギー | 13kcal |
水分 | 95.1g |
カリウム | 210mg |
カルシウム | 150mg |
マグネシウム | 67mg |
リン | 28mg |
鉄 | 0.5mg |
マンガン | 0.29mg |
ビタミンA β−カロテン当量 | 3000μg |
ビタミンK | 350μg |
ビタミンB2 | 0.07mg |
葉酸 | 78μg |
ビタミンC | 41mg |
食物繊維総量 | 2.2g |
※可食部100gあたり
つるむらさきの選び方
葉が濃い緑色をしていて柔らかく、肉厚でツヤとハリがあるもの、茎がまっすぐで切り口がみずみずしいものを選ぶようにしましょう。葉の色が濃いものはしっかりと太陽の光を浴びている証拠です。葉が枯れているものや変色しているものは避けるようにしましょう。
つるむらさきの保存方法
つるむらさきは、購入時のビニール袋のまま置いておくと、すぐにしなびてしまいます。ビニール袋から出してキッチンペーパーでくるみ、ポリ袋に入れて保存しましょう。
冷蔵保存は、水揚げをしてから
つるむらさきは、切り花と同じように「水揚げ」をすると日持ちします。水揚げの方法は、水を入れたボウルにつるむらさきを入れ、茎を水に浸したまま、ハサミで根元の部分を斜めにカットします。その後、湿らせたキッチンペーパーで巻いて、ポリ袋に入れて冷蔵庫で立てて保存します。3~5日ほど保存できます。
冷凍保存
すぐに使わない場合は、葉と茎に分けて別々にゆでて水気を切り、小分けしたものをラップに包み、ジッパー付きの保存袋に入れて冷凍しましょう。1ヶ月ほど保存可能です。
つるむらさきの食べ方
つるむらさきは粘り成分を含むネバネバ野菜です。新鮮な状態でしたら生でも食べられますが、風味のクセが強いので苦手な方もいらっしゃるかもしれませんね。そこで、おすすめしたいのがゆでて食べる方法です。
ゆで方は簡単ですが、つるむらさきの茎は太いので、葉と茎を分けてゆでた方が均一にゆでられます。お湯を沸騰させて、茎を1分ほどゆで、次いで葉を入れてさらに1分ゆでます。ざるまたは冷水に入れて冷まします。
また、油との相性が良いので、炒め物や揚げ物にも向いています。その場合は、アクがそれほど強くないので、下ゆでは必要ないでしょう。独特のにおいやぬめりは、ゆでるより炒めた方が抑えられます。
つるむらさきについてご紹介しました。栄養価が高い野菜なので、上手に取り入れられるといいですね。ナムルやおひたしにしてもおいしいので是非試してみてください。