アスパラガスは雨よけハウスや水耕栽培によって1年中おいしく食べられるようになった食材。栄養価が高いグリーンアスパラと軟白したホワイトアスパラガスが主流です。ここではアスパラガスの栄養や下茹での仕方、保存方法などについてご紹介します。
アスパラガスの特徴
アスパラガスは、ユリ科・アスパラガス属の多年草です。APG植物分類体系ではクサスギカズラ科に属しています。APG植物分類体系は、DNA解析による分子系統学に基づいて1990年代に構築された被子植物の分類体系です。
アスパラガスの旬は春から初夏ですが、秋まで収穫できます。輸入ものもあるので、一年中店頭に並んでいてあまり旬を意識しない野菜と言えます。
アスパラガスは、生産量・出荷量共に北海道がトップで全国シェアは約18%です。次いで、長野、佐賀と続きます。
アスパラガスの原産地
アスパラガスの原産は南ヨーロッパからロシア南部で、古くから自生していたとされています。紀元前200年頃には、ギリシャやローマで栽培されていて、17世紀頃までにヨーロッパに広く普及しました。ヨーロッパからの移民によってアメリカ大陸にも伝わりました。
日本には、江戸時代後半に観賞用として伝わりましたが、国内で本格的に栽培されるようになったのは大正12年以降と言われています。当時はホワイトアスパラガスの缶詰が主流でした。グリーンアスパラガスの歴史は意外と浅く、昭和40年頃から食べられるようになりました。
名前の由来と日本名
日本名は「オランダキジカクシ」で、アスパラガスが成長すると、鳥のキジが隠れることができるほどに葉が生い茂ることに由来しています。
アスパラガスという名前は、ギリシャ古語の「asparagos」に由来していて、はなはだしく裂けるという意味です。アスパラガスの新芽は地面を押しのけて次々と生えてくるのです。
学名 | Asparagus officinalis |
分類 | ユリ科・アスパラガス属 |
原産地 | 南ヨーロッパからロシア南部 |
英名 | Asparagus |
グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガス
アスパラガスには、緑の「グリーンアスパラガス」と白い「ホワイトアスパラガス」があります。この2つの違いは栽培法です。
グリーンアスパラガスは太陽光を浴びて育てられるので、葉緑素が作られて緑色になります。
一方、ホワイトアスパラガスは光をシャットアウトして育てられるので白くなります。ホワイトアスパラガスは栄養価が低い上に、栽培に手間がかかり、傷みやすいので、流通量が少なく価格も高くなっています。
アスパラガスの栄養素と効能
グリーンアスパラガスは抗酸化作用が高く、老化防止、ガン抑制、美容に役立ちます。アスパラギン酸というアミノ酸も豊富で、スタミナ増強にも。
エネルギー | 22kcal |
水分 | 92.6g |
炭水化物 | 3.9g |
カリウム | 270mg |
リン | 60mg |
鉄 | 0.7mg |
亜鉛 | 0.5mg |
ビタミンA β-カロテン当量 | 380μg |
ビタミンB1 | 0.14mg |
ビタミンB2 | 0.15mg |
ビタミンB6 | 0.12mg |
葉酸 | 190μg |
ビタミンC | 15mg |
食物繊維総量 | 1.8g |
可食部100gあたり
アスパラガスの選び方
色が鮮やかで、穂先が締まっていて、茎が太めでまっすぐ、ハカマの形が正三角形のものを選びましょう。同じ大きさであれば、重い方が良品です。根元のあたりまでハリがあり、切り口が新しいものが新鮮です。
穂先が開いているものは、鮮度が落ちていたり、成長し過ぎているので避けるようにしましょう。味や食感も落ちます。
アスパラガスの保存方法
アスパラガスはあまり日持ちしません。冷蔵庫で保存して2~3日中に食べきるようにしましょう。
冷蔵保存
乾燥しないように新聞紙で包んで袋に入れ、野菜室に立てて保存します。
冷凍保存
2~3日で食べきれない場合は、固めにゆでて冷凍します。ゆであがったら適当な長さに切って、バットなどに広げて一気に凍らせます。凍ったものをジッパー付きの保存袋に入れて冷凍しましょう。1ヶ月ほど保存可能です。
アスパラガスの食べ方
アスパラガスは、サラダ、炒め物、煮物、揚げ物などにして食べます。根元1~2㎝ほどを切り落とし、ハカマは包丁でそぎ落とします。
下茹での方法
使う際には、下ゆでをします。
- 塩を少々入れたお湯に根元部分から順に入れる
- 竹串がすっと刺さる位でお湯から取り出す
- 冷水にサッと浸す
冷水に浸すと、鮮やかな緑色が保持できます。ゆで過ぎると、味も栄養も落ちてしまいますから気を付けてください。
なお、炒め物や揚げ物にする場合は、下ゆでせずに生のまま調理した方が風味が良くなります。
豚肉を巻いて、焼いて食べてもおいしいアスパラガス。手軽に調理でき、栄養価も高いのでぜひ食卓に取り入れたいですね。上手に下茹でしておいしくいただきましょう!