ふきのとうは春の訪れを感じさせてくれる山菜。生育中の花茎ということもあり、ふきよりも栄養が豊富です。ここではふきのとうの栄養素や効能、ふきとの栄養価の違いなどについてご紹介します。ふきのとうには毒性があるので、アク抜きの方法についてもご確認ください。
ふきのとうの特徴
ふきのとうは、キク科フキ属の多年草「ふき」の早春の花茎のことを言います。旬は2~3月と、寒い時期に地面から顔を出す様子やほろ苦い風味から春の訪れを感じさせてくれる山菜です。なお、2月10日はふきのとうの日として制定されています。
学名 | Petasites japonicus |
分類 | キク科フキ属 |
原産地 | 日本、朝鮮半島、中国 |
別名 | ヤマブキ、フウキ |
英語 | flower cluster |
おいしい時期 | 2~3月 |
ふきのとうの栄養素
日常的に食卓に並ぶ食材ではありませんが、ふきのとうの苦味成分が、冬の間に滞った新陳代謝を活発にしてくれるので、季節を感じる食材として、一品取り入れてみるのがおすすめです。
ビタミン類|代謝を活発に
ビタミンB1、B2、E、K、葉酸などのビタミン類が含まれています。代謝を活発にしてくれます。
カリウム|余分な水分を排出
カリウムは、過剰なナトリウムを排出することで、細胞内外の水分量や浸透圧を調節する役割を持っています。体内の余分な水分を排出するので、むくみが気になるときにも効果が期待できます。
食物繊維|満腹感を得られる
ふきのとうは食物繊維も豊富。食物繊維が多い食品は、満腹感を高めたり、血糖値の急激な上昇を抑える働きをしてくれます。
エネルギー | 43kcal |
水分 | 85.5g |
炭水化物 | 10.0g |
灰分 | 1.9g |
カリウム | 740mg |
マグネシウム | 49mg |
リン | 89mg |
鉄 | 1.3mg |
ビタミンA β-カロテン当量 | 390μg |
ビタミンB1 | 0.10g |
ビタミンB2 | 0.17mg |
ビタミンB6 | 0.18mg |
ビタミンC | 14mg |
食物繊維総量 | 6.4g |
※可食部100gあたり
ふきとの栄養素の違い
ふきは、葉菜類のなかでは目立った栄養素はなく、水分が多いため、100gあたり11kcalと低カロリーです。葉の部分は打ち身や蛇に噛まれたときの手当として使われてきたと言われています。
ふきとふきのとうは、同じ植物ですが、花茎であるふきのとうのほうが栄養価が高く、新陳代謝を活発にしてくれます。
ふきのとうの選び方
ふきのとうを購入する際は、次の特徴を持つものを選ぶと良いでしょう。
- 葉が開いていない
- つぼみがかたい
- 鮮やかな緑色でツヤがある
黒ずんでいるものや、傷ついているものは避けましょう。
ふきのとうの保存方法
ふきのとうを保存する場合は、湿らせた新聞紙で包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管します。1~2日程度で食べ切るようにしてください。
ふきのとうの食べ方
ふきのとうの天ぷら
ふきのとうは独特の苦味がありますが、油で調理することで苦味が和らぎ食べやすくなります。
天ぷらの作り方
- ふきのとうの葉を開き、片栗粉をまぶす
- ふきのとう全体に薄く衣をつける(天ぷら粉2:水3程度)
- 170~180℃の油で揚げる(花を下にして入れる)
- 塩を添えていただく
ふきのとうの下処理(アク抜き)
- 塩をたっぷり加えた熱湯で数分間茹でこぼす
- 流水で冷やす
- 水を替えながら室温で水にさらす
- 水気を十分に切る
※茹で汁や水更にし使った水は料理などには使用せず、捨てるようにしましょう。
ふきのとうを食べるときの注意
ふきのとうは、毒素を持つ食材。アク抜きをして食べれば問題ありませんが、知っておくと良いでしょう。
アク抜きし、食べすぎない
ふきのとうにはピロリジジンアルカロイドという毒素が含まれており、食べ過ぎると肝機能にダメージを与える可能性が指摘されています。
ただし次のことより、アク抜きをし、通常のいただき方であれば大きく心配する必要はないとされています。
- ピロリジジンアルカロイド類は水に溶けるものが多いためアク抜きを行うことで2割〜4割に減ること
- 旬が短く、年中食べる食材ではないこと
- 独特のえぐみや苦味があるので、通常は一度にたくさん食べないこと
参考:農林水産省「食品中のピロリジジンアルカロイド類の含有実態調査結果について(第2報)
似ている山菜に気をつけて
ふきのとうと似ている山菜に、「ハシリドコロ」や「フクジュソウ」という有毒植物があります。ふきのとうと間違って食べることがないよう注意が必要です。