ざくろは高い抗酸化作用を持つエラグ酸を持っています。国内の生産量が少なく見かけることは少ないものの、機会があればぜひいただきたい果物です。ここではざくろの食べ方や栄養素、ざくろ酢やざくろジュースについてもご紹介します。
ざくろの特徴
ざくろは、ミソハギ科ザクロ属の1種の落葉小高木またはその果実のこと。原産地はイランやトルコなどの中近東です。
その歴史は古く、中近東では有史以前から果樹として栽培されてきました。イランからシルクロードを通って中国やヨーロッパに伝わり、日本へは平安時代に中国から伝わったとされています。
ざくろの産地
ざくろは世界各地で栽培されており、日本でも東北以南で栽培されています。ただし、政府の統計データによると、国内では経営的なざくろの栽培はわずかしかされておらず、平成16年以降は栽培の記録もされなくなってしまいました。今日では、国産のざくろは非常に珍しく、店頭ではほとんど販売されていません。
国内で流通しているざくろの多くはアメリカ・カリフォルニア産で、ジュースにはイラン産も使われています。
ザクロの旬
国内でわずかに栽培されているザクロは、夏の終わりから秋にかけて収穫されます。アメリカからの輸入品も同じ頃に出回り、9月~11月初旬頃が旬になります。この頃に流通しているざくろは、甘味が強く、ほどよい酸味もあるとされています。
国内で出回っているカリフォルニア産のざくろのほとんどが「ワンダフル」という品種です。重さは250グラム前後で甘味が強く、ほのかに酸味もあります。
学名 | Punica granatum |
分類 | ミソハギ科ザクロ属 |
原産地 | 中近東、イラン |
和名 | 石榴 |
英名 | Pomegranate |
仏名 | grenade |
独名 | Granatapfel |
ざくろの栄養素と効能
女性ホルモンに似た性質を持つエストロゲン様物質を持っており、善玉コレステロールを増やしたり、更年期障害にも有効で、子宝に恵まれる果物とも言われています。
また、赤ワインよりも強い抗酸化作用を持つとも言われるエラグ酸も含まれているので、美白や健脳効果も期待できます。
エラグ酸とは?
エラグ酸はポリフェノールの一種で、ラズベリーやいちごにも含まれている成分です。メラニン色素の生成を抑制したり、シミやたるみを防止するなどの効果が期待されています。
エネルギー | 56kcal |
水分 | 83.9g |
タンパク質 | 0.2g |
炭水化物 | 15.5g |
灰分 | 0.4g |
カリウム | 250mg |
リン | 15mg |
鉄 | 0.1mg |
亜鉛 | 0.2mg |
銅 | 0.06mg |
マンガン | 0.05mg |
ナイアシン | 0.2mg |
ビタミンB6 | 0.04mg |
パントテン酸 | 0.32mg |
ビタミンC | 10mg |
※可食部100gあたり
ざくろの食べ方
ざくろは、実の中に入っている粒をそのまま食べることができます。サラダのトッピングやヨーグルトに混ぜて食べるのがおすすめ。甘酸っぱさが味のアクセントになります。
ざくろのヘタを切り取ったところに十字の切り込みを入れて、手で実を裂いて粒を取り出すと良いでしょう。
水を入れたボウルの中で作業をすれば、さらに粒が取り出しやすくなります。中の赤い実が飛び散ったり、手が着色するのを防ぐことができます。
ザクロジュース
先述の通り、ざくろがスーパーなどに並ぶことは少ないので、ジュースなどで摂取するのもおすすめです。ざくろは少し酸味があるので、ハチミツやシロップなどで甘みを加えている場合が多いようです。
ざくろ酢
ざくろを発酵させて作ったざくろ酢も美容大国韓国を中心に人気があります。ざくろ酢と水をお好みで1:3くらいの割合で割って飲むと良いでしょう。
グレナデン・シロップ
グレナデン・シロップとは、カクテルなどに使われる、ザクロの果汁と砂糖からなるノンアルコールの赤いシロップのこと。
ただ、最近ではざくろは使用されておらず、キイチゴやカシスなどが使われている場合もあります。
ざくろの選び方
全体が鮮やかな赤色で、表面に傷がなく、重みのあるものを選びましょう。茶色く変色した部分があるものは避けるべきです。
成熟して果皮の割れているものが良いですが、店頭に並んでいるものには、割れているものはほとんどありません。ただ、基本的には熟して食べごろになったものが並んでいます。
ざくろの保存方法
ざくろは皮をむかなければ、室温でも数週間はもちます。
冷蔵保存
皮をむかずに保存袋に入れて冷蔵庫で保存すると、かなり日持ちします。状態が良ければ2ヶ月以上保存が可能です。
冷凍保存
実の部分だけを取り出して、ジッパー付きの保存袋に入れて冷凍しましょう。2ヶ月~3ヶ月ほど保存ができます。
近所に住む祖父の家にざくろの木があったので、子供の頃はよく食べた記憶がありますが、日本での栽培は少なく、なかなか口にする機会が少ないざくろですが、美肌、健脳に有効な栄養素が豊富な果物です。
ざくろ酢やざくろジュースなど、手軽に採れる加工品もうまく活用して味わってみてくださいね。