ズッキーニは、イタリア語で「小さなかぼちゃ」を意味します。きゅうりによく似た形をしていますが、カボチャの仲間です。ラタトゥイユやフリッターなど南欧料理で、よく知られるズッキーニ。しゃきっとした食感と、癖のない味で、和洋中どのような料理にも良く合います。ズッキーニの栄養分や食べ方、保存方法を知って、美味しくいただきましょう。
ズッキーニの特徴
ズッキーニは、ウリ科カボチャ属の一年生の果菜です。原産地は明確に特定されていませんが、北アメリカ南部からメキシコと考えられています。つるがなく株元の葉の付け根に実がつくので、和名ではつるなしカボチャと呼ばれます。よく出回っているのは緑果種ですが、皮が柔らかい黄果種もあります。果実以外に、花も食用に使われます。ズッキーニの旬は、初夏から夏にかけてです。
学名 | Cucurbita pepo |
分類 | ウリ科カボチャ属 |
原産地 | アメリカ南部、メキシコ北部 |
仏名 | courgette |
伊名 | zucchini |
ズッキーニの栄養素
完熟したカボチャに比べると、糖類や炭水化物の含まれる量が少なく低カロリーです。抗酸化作用や疲労回復に効果があるベータカロテンやビタミンC、カルシウムを骨に取り込むビタミンK、体内のナトリウム排泄に関わるカリウムが含まれています。
エネルギー | 14kcal |
水分 | 94.9g |
カリウム | 320mg |
カルシウム | 24mg |
マグネシウム | 25mg |
リン | 37mg |
鉄 | 0.5mg |
ビタミンA β-カロテン | 310μg |
ビタミンK | 35μg |
ビタミンB1 | 0.05mg |
ビタミンB2 | 0.05mg |
ナイアシン | 0.4mg |
ビタミンC | 20mg |
食物繊維総量 | 1.3g |
※可食部100gあたり
苦味成分「ククルビタミン」
ズッキーニやスイカなどのウリ科の植物には、苦味成分であるククルビタミンが含まれています。通常の含有量は微量ですが、まれに多く含まれているものがあります。下痢、おう吐、腹痛を起こすことがあるので、強い苦味を感じた場合は食べずに廃棄しましょう。
ズッキーニに期待される健康効果
オリーブオイルと合わせて免疫アップ・がん予防
ズッキーニに含まれるビタミンCやベータカロテンには、免疫を高める作用があります。ベータカロテンは油と合わせて摂ると、さらに吸収されやすくなります。ズッキーニと相性の良いオリーブオイルを使うことで、オリーブオイルに含まれているポリフェノールの抗酸化物質の作用で、がんの予防につながるといわれています。
ナスと合わせて肥満防止・生活習慣病の予防
低カロリーのズッキーニと、同じく低カロリーで食物繊維も豊富に含まれているナスを一緒に食べると、肥満防止の効果を高めることが期待できます。ナスの皮に含まれている色素成分ナスニンには、強い抗酸化力があり、生活習慣病の原因となる活性酸素を抑制するといわれています。
ビタミンKで骨粗しょう症の予防
ズッキーニに含まれているビタミンKは、体内に吸収されたカルシウムを骨に取り込む働きがあるため、骨粗しょう症の予防に役立ちます。
カリウムで高血圧の予防、むくみの解消
ズッキーニに含まれるカリウムには、塩分を尿として排泄する働きがあるので、血圧が高くなるのを押さえてくれます。また、カリウムは体内の余計な水分量を調節するので、むくみの改善につながります。
ズッキーニの選び方
皮に光沢があり、太さが均一で、適度の重さがあるものを選ぶと良いでしょう。育ちすぎたものは、固かったり、中がスカスカになっている場合があるので、避けたほうが無難です。
ズッキーニの保存方法
低温や乾燥に弱いので、新聞紙などで包みポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。3~4日を保管期間の目安にして、新鮮なうちに食べましょう。
ズッキーニの食べ方
煮る
ズッキーニ料理の代表格、ラタトゥイユ。オリーブオイルで炒めることから、ビタミンKなどの脂溶性ビタミンをしっかり吸収できます。多めに作って翌日に食べても、味がさらに馴染んで美味しくいただけます。
- ズッキーニ、ナス、玉ねぎ、パプリカ、トマト、にんにくを切る
- オリーブオイルで、トマト以外の野菜を炒める
- トマトを加えて煮込む
- 塩やコショウで味を調える
トマトを加えるときに、ローリエ、オレガノ、タイムなどの香草を加えると風味が増します。ベーコンなどの肉類を加えてもコクがでて、一味違った美味しさを楽しめます。
揚げる
ズッキーニの味や食感を楽しみたい時は、素揚げがおすすめです。
- ズッキーニを食べやすい大きさにカットする
- 小麦粉を薄くまぶす
- 油で揚げる
塩をふっていただきますが、お好みでレモンやパルメザンチーズをかけても美味。おつまみにピッタリです。フリッターにしても美味しくいただけます。
グリルする
グリルにすると甘味が凝縮されて美味しく食べれるので、BBQに向いています。切ったあとに、塩コショウを加えたオリーブオイルにつけてから焼くとパサつきを防ぐことができます。
生で食べる
生のまま薄切りにして、サラダや和え物にしても美味しくいただけます。皮も食べられますが、固く感じる場合はピーラーでむきましょう。
ズッキーニの栄養と保存方法、食べ方をご紹介してきました。カリウムやビタミン類が適度に含まれ、低カロリーのズッキーニ。癖がなく、身がしっかりしているので、いつもの一品を簡単にボリュームアップしてくれるダイエットの味方です。お味噌汁の具材にしたり、パスタのソースに加えたり、さまざまな料理に活用してみてください。