オクラの豊富な栄養と食べ方・保存方法

オクラ

スタミナ野菜の代表格、オクラ。原産地はアフリカ北東部ですが、南アジア、東南アジア、ヨーロッパ、アメリカなど世界中で長年食べられてきた野菜です。オクラの栄養分や食べ方、保存方法を知って、美味しくいただきましょう。

オクラの特徴

オクラ

オクラは、アオイ科トロロアオイ属の果菜です。英語でもオクラといいますが、その形からLady’s finger(婦人の指)とも呼ばれます。オクラの和名はアメリカネリで、陸蓮根という異名もあります。

オクラは、形状によって種類が異なります。よく流通している種類は「五角種」で、切った断面が星形になります。丸形の「島オクラ」は沖縄で最も栽培されている品種で、大きく育っても柔らかくて食べやすいのが特徴です。味が濃いめで比較的やわらかい「赤オクラ」で、加熱すると緑色になります。

サイズの小さい「ミニオクラ」は、通常の大きさになる前に未熟な状態で収穫したものです。通年店頭にならぶオクラですが、最も出回る時期は6~9月です。

学名Abelmoschus
分類アオイ科トロロアオイ属
原産地東北アフリカ
仏名gombo
中名陸蓮根

オクラの栄養素

オクラがスタミナ野菜といわれる理由は、その粘り成分のペクチンにあります。他にも、ベータカロテン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEといったビタミン類、骨を丈夫にするカルシウムが含まれています。

エネルギー30kcal
水分90.2g
ナトリウム4mg
カリウム260mg
カルシウム92mg
マグネシウム51mg
リン58mg
ビタミンA β-カロテン当量670μg
ビタミンK71μg
ビタミンB10.09mg
ビタミンB20.09mg
葉酸110μg
ビタミンC11mg
食物繊維総量5.0g

可食部100gあたり

オクラに期待される健康効果

8本のオクラ

ペクチンが腸内の善玉菌を増やす

オクラを切ったときに生じる独特のねばりの成分のひとつはペクチンです。ペクチンは水溶性の食物繊維で、腸内の善玉菌である乳酸菌を増殖させ、腸の調子を整える効果があります。ペクチンには、有害物質の排泄を促す働きもあります。

ビタミン類の強い抗酸化力

オクラには、ビタミンE、ビタミンC、ベータカロテンが含まれています。ビタミンEは、ビタミンC、ベータカロテンと合わせてとると抗酸化力がより強固になることが知られています。これらの成分が同時に含まれているオクラは、酸化を防ぐ効果が高い野菜といえます。

カルシウムによる骨粗しょう症予防

オクラに含まれるカルシウムには、骨粗しょう症、高血圧、ストレスに対抗する働きがあります。カルシウムは吸収率が低いミネラルであるため、不足しがちな栄養素の一つです。

オクラの選び方

濃い緑色で、産毛がびっしりと生えているものが良品といわれています。産毛は、オクラの両端をもって前後に動かしてみると確認できます。育ちすぎたものは、ガクの周辺が黒っぽくなり、表面に黒い斑点がでます。大きすぎると、果肉・種とともに固く味がおちます。

オクラの保存方法

オクラは、劣化しやすく日持ちがしないので、なるべく早く食べるようにします。キッチンペーパーか新聞紙で包み、ポリ袋にいれて冷蔵庫の野菜室で保存します。冷やしすぎると、えぐみが強くなるので要注意です。

オクラの食べ方

オクラの和え物

生で食べる

オクラはゆでることによって、ペクチンが減少、ビタミンB群が流失してしまいます。やわらかく新鮮なオクラであれば、生のまま食べるのがおすすめです。塩をふって板ずりをすると表面の産毛がとれて食べやすくなります。細かく刻んで醤油かめんつゆとあえます。好みで、削り節や、すだちなどの柑橘類の汁を加えても美味しくいただけます。

ゆでる

ゆでるときは、さっとゆでて、細かく刻んで食べます。山芋、納豆など、同じようにネバリがあり、栄養価の高い食材とあわせることで、より一層高い健康効果が期待できます。

煮込む

オクラのとろみを活かした、アメリカ南部の煮込み料理ガンボです。ご飯にかけても美味しくいただけます。

  1. オクラ、玉ねぎ、セロリ、パプリカを食べやすい大きさに切る
  2. みじん切りにしたニンニクをオリーブオイルで炒め香りをだす
  3. オクラ、玉ねぎ、セロリ、パプリカを加えて炒め、薄力粉を加えて混ぜる
  4. ホールトマトとスープストックを加えて煮る
  5. エビを加えて火を通し、塩コショウで味を整える

好みで、クローブ、レッドペッパー、カイエンペッパー、ウスターソース、レモンを加えると複雑な味が楽しめます。

ザルの上のオクラ

オクラの栄養と保存方法、食べ方をご紹介してきました。オクラに含まれるネバネバ成分、ペクチン。ペクチンは整腸に役立つ成分が含まれています。癖が少なくどんな料理にも合わせやすいオクラ。毎日の食事に取り入れていきたいですね。

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