唐辛子は独特の辛味のもとカプサイシンが胃液の分泌を促し、ダイエット効果も期待されている野菜。乾燥させた鷹の爪や生食も栄養が豊富です。ここでは唐辛子の辛さの指標や栄養素、保存方法などについてご紹介します。
トウガラシの特徴
トウガラシの原産は中南米とされており、コロンブスがスペインに持ち帰ったことで世界中に広まったと言われています。日本には、16世紀にポルトガルから伝わったとされており、当初は観賞用とされていたようです。
学名 | Capsicum annum |
分類 | ナス科トウガラシ属 |
原産地 | 熱帯アメリカ |
旬 | 青唐辛子:7月〜9月 赤唐辛子:8月〜10月 |
主な生産地 | 茨城、栃木 |
仏名 | piment, poivre long |
独名 | spanischer Pfeffer, Paprika |
トウガラシの種類
トウガラシは、大きく分けて「甘味種」と「辛味種」の二つに分けられます。「甘味種」には、ピーマンやパプリカ、獅子唐などがあります。「辛味種」には、鷹の爪や青唐辛子、ブート・ジョロキア、ハバネロなどがあります。
トウガラシの果実は、未熟な時は緑色で、熟すとほとんどのものが赤くなります。
通常、赤唐辛子は加熱すると辛味が増します。対して青唐辛子は加熱すると辛味が若干ではありますが減少し、ほんのりと甘味を感じるようになります。
トウガラシの辛さ
トウガラシの辛さを表す指数として「スコビル値」が使われます。これはトウガラシをエキスにした時に、辛さを感じなくなるためにはどれだけの砂糖水が必要かを表す指数です。
辛いトウガラシで有名な「ハバネロ」は30万スコビル。2013年にギネス記録に登録された世界で一番辛いとされているトウガラシ「キャロライナ・リーパー」は驚異の220万スコビルとなっています。
トウガラシの栄養素
辛味のもとカプサイシンが胃液の分泌を高め、消化吸収を助けてくれます。血行を良くして身体を温める効果もあるので、ダイエットへの効果も期待されています。
エネルギー | 96kcal |
水分 | 75g |
炭水化物 | 16.3g |
カリウム | 760mg |
マグネシウム | 42mg |
リン | 71mg |
ビタミンA β-カロテン | 6600μg |
ビタミンB1 | 0.14mg |
ビタミンB2 | 0.36mg |
ナイアシン | 3.7mg |
ビタミンB6 | 1.00mg |
葉酸 | 41μg |
ビタミンC | 120mg |
食物繊維総量 | 10.3g |
※可食部100gあたり
トウガラシの選び方
ハリとツヤがあり、色鮮やかで、できるだけ形が揃っているものを選びましょう。ヘタがピンとしているものが新鮮なものです。
茶色く変色しているものや、干からびたり萎びたりしているものが避けましょう。
トウガラシの保存方法
トウガラシは、生のものと乾燥したものがあります。
生のトウガラシは、乾燥しないようにポリ袋に入れ、冷蔵庫に入れて保存します。1週間ほど保存できますが、できるだけ早めに使用しましょう。
乾燥させると長期保存できます。乾燥させ方は、枝つきのものは、枝をつけたままカラカラになるまで天日干しします。十分に乾燥させたら、保存袋に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。しかし、青いトウガラシは乾燥に向いていないので早めに使用しましょう。
トウガラシの食べ方
トウガラシは主に辛みを加える香辛料として、ペペロンチーノやトムヤムクン、漬物などに使われます。また、加工されたものでは、タバスコやペッパーソースがあります。
トウガラシの辛味は油に溶けやすい性質があるので、先に油で炒めておくと、辛味がしっかりと広がります。
一般的にトウガラシの種が一番辛いと言われていますが、正確には種を支えている内側の白いワタに辛味成分があります。辛みを抑えたい場合は、種だけではなくワタもしっかりと取っておくとよいでしょう。
トウガラシのピクルス
トウガラシは酢と相性がよく、ピクルスとして食べられることが多いです。そのままピクルスとして食べるのでもいいですが、刻んでサラダや肉料理や魚料理の彩りとして添えても美味しいです。
ピカンテ・オイル
イタリア料理でよく使われる「ピカンテ・オイル」にしてもいいです。加熱したエキストラ・バージン・オイルにニンニクを入れ香りを出し、粗熱を取ってから鷹の爪などの赤唐辛子を入れ、ミキサーにかければ出来上がります。瓶などに移して1週間ほど寝かせれば美味しい状態になります。