さやえんどうは、鮮やかな緑色で食事を彩ってくれる緑黄色野菜。緑黄色野菜の栄養に加え、豆の栄養も備えているという優秀な野菜です。ここではさやえんどうの栄養や効能、保存方法などについてご紹介します。
さやえんどうの特徴
さやえんどうは、エンドウ豆を中に豆ができる前の段階で収穫したものをいいます。少し豆が成長したものが「グリンピース」。さらに成長したものが「えんどうまめ」。えんどうまめの若芽は「豆苗」と、成長段階によって名前が変わっていく植物です。
さやえんどうの旬は春で、3月〜5月が食べごろになります。
・グリーンピースについてはこちら・豆苗についてはこちら
さやえんどうの原産地
さやえんどうの原産地は、中央アジアから中近東、地中海沿岸にかけての地域とされています。数千年前から存在しており、エジプトのツタンカーメンの墓からも出土しています。日本には8世紀〜10世紀ごろに中国から伝わったとされています。
初めは穀物として食されていましたが、13世紀ごろにフランスで若いさやを食べるようになり、その後にグリンピースとして食されるようになりました。
学名 | Pisum sativum |
分類 | マメ科エンドウ属 |
原産地 | 中央アジアから中近東地域 |
仏名 | pois mange-tout |
独名 | Erbse |
さやえんどうの品種
さやえんどうの中でも、「絹さやえんどう」はより色鮮やかで食感もよく、さやえんどうの代表として多く愛用されています。最近はふくらみのある「スナップエンドウ」や「砂糖ざや」なども人気です。
サトウサヤエンドウ(砂糖ざや)
さやえんどうを改良し、なかの豆を大きくした品種です。さやは厚めでゴツゴツした見た目です。糖度が高いのが特徴。
スナップエンドウ
さやと豆の両方を食べられます。さやは肉厚で食べごたえがあり、実は甘いのが特徴です。
さやえんどうの栄養素と効能
たんぱく質、カロテン、ビタミンC、B1などを豊富に含む緑黄色野菜です。色鮮やかで食感も良いので、煮物やお吸い物などの彩りとして活用されています。
昔に比べ栄養価が落ちている野菜が多いと言われるなか、さやえんどうが持つビタミンCの量は60年代なかばと比べて3倍にも増えています。
エネルギー | 36kcal |
水分 | 88.6g |
タンパク質 | 3.1g |
炭水化物 | 7.5g |
カリウム | 200mg |
カルシウム | 35mg |
マグネシウム | 24mg |
リン | 63mg |
ビタミンA β-カロテン当量 | 560μg |
ビタミンB1 | 0.15mg |
ナイアシン | 0.8mg |
葉酸 | 74μg |
ビタミンC | 60mg |
食物繊維総量 | 3.0g |
※可食部100gあたり
さやえんどうの選び方
さやの色が鮮やかな緑色で、ツヤとハリがあるものを選ぶと良いでしょう。また、中の豆が感じられないくらい薄いものが良いです。豆が大きすぎると、硬く食感が落ちることがあります。さらに、先端についているひげが白っぽくピンとしているものが新鮮なので、そちらを選ぶと良いでしょう。
さやえんどうの保存方法
さやえんどうを保存する際は、湿らせたペーパータオルや新聞などで包んでから、ビニール袋に入れて冷蔵庫へ入れましょう。乾燥に弱いので、なるべく空気にさらさずに、早めの調理をお勧めします。冷凍する場合は、スジを取って固めにゆで、水気をよく拭き取ってから冷凍しましょう。
さやえんどうの食べ方
汁物、和え物、煮物、卵とじ、ちらし寿司など、彩りと食感を加えるものとして最適です。
筋の取り方
さやえんどうは、まずスジを取り除くのが大切です。先端をつまみ、沿っている内側に向けて引っ張るようにちぎると、スジもついてきて取れます。次に反対の端をつまみ、ちぎるようにして反っている外側に向かって引っ張るとスジがついてきて取れます。柔らかいものなど、内側しかスジが取れないものもありますが、両方のスジを取った方が、より食感がよくなります。
下茹での方法
塩を加えたお湯で1分ほど下茹でし、冷水にとり一気に熱をとって色止めをします。火の通しすぎ、冷水の浸けっぱなしは色や食感が悪くなるので、短時間で済ませましょう。
その後、料理に加える際は、すでに火は通っているので、完成直前に加えるのが良いでしょう。