冬瓜は大きな実とクセのない味わいが特徴の野菜です。カリウムが豊富でむくみなどの解消に役立つほか、低カロリーで、皮やタネは生薬としても使われる健康食材です。ここでは冬瓜の旬や食べ方、保存方法などをご紹介します。
冬瓜の特徴
冬瓜は東南アジア・ジャワ島が原産のウリ科の植物で、果実を食用とする野菜です。日本でも古くから栽培されていて、主な産地は沖縄県や愛知県になります。
完熟すると皮が硬くなり貯蔵性に優れています。また、品種によって大きさも様々で2〜3kgの小型のものから、10kgを超える大型なものまであります。
冬の瓜と書くため冬野菜と思われがちですが、旬の時期は6月頃〜9月頃の夏野菜なのです。サッパリとした薄味で、夏にピッタリの食材です。
なぜ冬瓜と書くのかというと、貯蔵性に優れ夏に収穫したものが冬まで日持ちすることから、冬瓜と呼ばれるようになったようです。
学名 | Benincasa hispida |
分類 | ウリ科 |
原産地 | インド |
冬瓜の品種
冬瓜の品種は大きく分けて2種類あり、丸い球型の丸冬瓜と長い俵型の長冬瓜に分けられます。
- 大丸冬瓜:大きな球型で、熟すと表面に白い粉をおびる。古くから本州で栽培されている品種
- 小丸冬瓜:球径20cm、重さ2〜3kgの小さく丸い球型の冬瓜
- 長冬瓜:長く俵のような長楕円形の実で、熟すと表面に白い粉をおびる
- 琉球冬瓜:俵のような長楕円形で熟しても白い粉が付かず、濃い緑色をしている。元々は九州南部以南で栽培されていたが、今では多くの地域で栽培されている
冬瓜の栄養素
冬瓜はカリウムが豊富で、余分な塩分を排出して血圧を正常に保ったり、むくみの解消に役立ちます。また、中国では皮やタネに利尿作用、解毒作用があるとして生薬としても使われてきました。
エネルギー | 16kcal |
水分 | 95.2g |
炭水化物 | 3.8g |
カリウム | 200mg |
カルシウム | 19mg |
マグネシウム | 7mg |
リン | 18mg |
鉄 | 0.2mg |
ビタミンB1 | 0.01mg |
ビタミンB2 | 0.01mg |
ナイアシン | 0.4mg |
ビタミンB6 | 0.03mg |
葉酸 | 26μg |
ビタミンC | 39mg |
食物繊維総量 | 1.3g |
※可食部100gあたり
冬瓜の選び方
冬瓜は熟すと表面に白い粉をおびるので、表面全体が均一に白くなっているものは、熟していて食べごろです。また表面が白くならない琉球冬瓜は、表面にキズや傷みがなく、ツヤのある濃い緑色のものを選びましょう。
どちらの場合も、小ぶりでずっしりと重い実の詰まったものがおすすめです。
カットして売っている冬瓜を選ぶときは、切り口が白くみずみずしいもので、種の周りも実がしっかり詰まってるものを選びましょう。
切り口が茶色く変色していたり、種の周りがスカスカのものは避けたほうがいいですね。
冬瓜の保存方法
冬瓜をまるごと保存する場合は、新聞紙で包み風通しの良い冷暗所で保存します。温度を13℃〜15℃、湿度を70%〜75%に保てば6ヶ月ほど保存できます。
カットしてあるものを保存する場合は、種とその周りのワタをスプーンなどで取り除きます。皮がついたままキッチンペーパーで包み、さらにラップで包んで冷蔵庫の野菜室に入れます。保存期間は3日〜5日になります。
冬瓜の食べ方
冬瓜は生でも食べられますが、下ごしらえをする事で青臭さが和らぎ、煮物やスープにしたとき味が染み込みやすくなります。
- 皮を剥きやすいサイズにカットし、種とワタの部分を切り取る
- 緑色が残る程度に薄く皮を剥く
- たっぷりのお湯で10分〜15分下茹でをする。竹串がスッと刺さるくらいが目安
- 氷水で冷ます
これで下ごしらえは完了です。後は食べやすい大きさにカットして調理しましょう。冬瓜はスープや味噌汁、煮物にあんかけなど様々な料理に使えますよ。
冬瓜茶は台湾で人気
冬瓜茶は、冬瓜と砂糖を煮詰めた「冬瓜糖」を溶かして作られるお茶のこと。甘くて飲みやすいのが特徴です。冬瓜はクセがない野菜なので、お茶にしてもすっきりおいしく飲めますよ。
冬瓜をご紹介しました。スーパーで見かけることも少ないため、なかなか馴染みがありませんが、内臓を休めたり、スタミナを回復させるには良い野菜です。台湾で人気の冬瓜茶もおいしいので、ぜひ試してみてくださいね。