サラダやスープ、炒め物まで幅広い料理に応用できるカリフラワーですが、同じアブラナ科であるブロッコリーの影に隠れてしまいがち。しかし、くせがなく食べやすいことから海外ではとても人気のある野菜なのです。そんなカリフラワーには健康に役立つ栄養素がたくさん含まれています。今回は、そんなカリフラワーをご紹介します。
カリフラワーの特徴
カリフラワーの起源は、キャベツや白菜などと同じ野生のケールと言われています。誕生した時期や経緯は、はっきりと分かっていませんが、カリフラワーはブロッコリーの突然変異種と考えられています。
もこもことした見た目が特徴のカリフラワーですが、私たちが食用にしている部分は、「花蕾」と言われる蕾の部分です。カリフラワーは真夏を除きほぼ通年出回っていますが、旬の時期は11月~3月で、寒い冬の時期になります。
カリフラワーの品種
オレンジブーケ
花蕾が濃い黄色~淡いオレンジ色の品種です。ほのかな甘味があり、茹でると色鮮やかになるため、サラダなどの彩り使われることが多いです。食感は白いカリフラワーとほとんど変わりません。
バイオレットクイーン
花蕾が紫色の品種ですが、茹でると紫色から緑色に変わります。カリフラワーよりもブロッコリーに似た食感です。
ロマネスコ
黄緑色をした円錐の花蕾が規則正しく並ぶ独特な形をしています。日本ではその見た目から「サンゴ礁」とも呼ばれています。味はブロッコリーに似ており、食感はカリフラワーに近い、ブロッコリーやカリフラワーの中間的存在と言えます。
カリフラワーの栄養素
カリフラワーのビタミンCは花蕾に多く含まれています。ビタミンCの含有量はキャベツの約2倍で、イチゴやみかんなどビタミンCが豊富と言われている果物よりも多いのが特徴です。
カリフラワーに含まれる主な栄養素
- ビタミンC
- ビタミンB6
- 葉酸
- パントテン酸
- ビオチン
- カリウム
- グルコシノレート
- コリン
- スルフォラファン
カリフラワーに期待される健康効果
老化防止
カリフラワーに含まれるグルコシノレートという成分は、体内で消化される際にイソチオシアネートという成分に変化します。イソチオシアネートは強い抗酸化作用を持っているため、老化を進める原因となる活性酸素を除去してくれるはたらきがあります。
脳の健康維持
脳の健康をサポートするはたらきのあるコリンが多く含まれているので、記憶力を高める作用があります。アルツハイマー型認知症患者の多くはコリンが不足しているというデータもあり、積極的に摂り入れていきたい栄養素です。
ピロリ菌の除去
ピロリ菌は、日本人の成人の50%以上が保有しており、胃潰瘍や胃がんの原因のひとつだと言われています。カリフラワーに含まれるスルフォラファンは強い解毒作用を持ち、ピロリ菌の除去に効果があると近年期待されています。
カリフラワーの選び方
蕾が硬く締まっており、こんもりとした形のものを選ぶようにしましょう。そして、持った時にずっしりと重みを感じ、蕾に茶や黒のシミがないものが良質なカリフラワーです。また、軸の切り口がみずみずしいか、変色していないか、スが入ったように空洞ができていないかなども確認するようにしましょう。
カリフラワーの保存方法
生のまま保存する場合は、乾燥を防ぐためにポリ袋かラップに包んで冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。茹でて保存する場合は、小房に切り分け塩を加えた熱湯で約1分茹でた後、しっかり水気を切り、冷めたらタッパーに入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。あまり日持ちはしない為、どちらも2~3日中に食べ切るようにしましょう。
カリフラワーは固茹でして冷凍保存することも可能です。冷凍の場合は約1ヶ月保存できますが、食感や風味は生に比べて劣ってしまいます。
カリフラワーの食べ方
カリフラワーは火を通し過ぎてしまうと、食感が失われてしまいます。美味しく茹でるには、お湯に2%の塩を入れて、約1分硬めに茹でるのがコツです。酢やレモン汁を加えて茹でるときれいな白色に仕上がります。また、房をあまりばらさず、大きめに切ることもポイントです。そして、茹で上がったら冷水にさらさず、ザルにあげてそのまま冷まし余熱で火を通します。
火を通して食べるのが一般的ですが、新鮮なカリフラワーは生でも食べられることをご存知ですか?いつもとは違った食感と風味を味わうことが出来ますよ。薄くスライスして冷水につけると、シャキシャキ感がアップするのでおすすめです。
普段カリフラワーをあまり食べないという方も、カリフラワーの良さをお分かりいただけましたか?一般的な白以外にもオレンジや紫など色鮮やかな種類も多く出ています。種類によって食感や風味も異なりますので、色々な種類を食卓に取り入れてみるのも楽しいかもしれません。