シャキシャキとした食感とみずみずしさが人気の水菜。鍋物や煮物などの加熱調理だけではなく、生食もでき様々な料理に活用できるのが魅力です。くせが少なくたんぱくな味わいから、あまり栄養がないのでは?と思われがちですが、実は葉酸や葉緑素をはじめ健康に役立つ成分がたっぷり含まれているのです。今回は、そんな水菜の栄養素や効能、保存方法についてご紹介します。
水菜の特徴
水菜は日本が原産の野菜で、古くから京都で栽培されてきた京野菜の一つです。従来の水菜は1株3~4kgと大きく、葉も固く鍋物や漬物での利用が一般的でしたが、品種改良により食感の良さを活かしつつサラダにも使える軟らかさをもった現在の水菜が誕生しました。
京菜と水菜の違い
水菜は、もともと関西を中心に栽培・消費されていましたが、全国へと広がりました。京都の野菜ということで、関東では「京菜」とも呼ばれています。
なお、「水菜」という名前は、肥料を使わず水と土だけで作られていたことに由来します。霜に当たることで美味しくなる、冬が旬の緑黄色野菜です。
学名 | Brassica rapa var. nipposinica |
分類 | アブラナ科アブラナ属 |
原産地 | 日本 |
おいしい時期 | 11月〜3月 |
水菜の種類
葉に深い切れ込みがあり、白〜黄緑色の細くて長い茎を持っている物が一般的に流通している水菜です。歯ごたえがよく、ほんのり辛味を感じるのが特徴です。
サラダ水菜
一般的な水菜よりも茎の部分が短く、葉の部分が多いサラダに適した品種です。
広茎京菜
茎が太く、葉も厚くしっかりとしており、一見すると水菜と思えないような見た目をしています。生食には不向きで、加熱調理に向いています。
壬生菜
京都の壬生地方が原産の京菜から分かれた品種。水菜よりクセが強いものの、葉が柔らかいのが特徴
赤水菜
大きさや形は一般的な水菜とほぼ同じですが、茎の部分が紫色をしている品種です。色を楽しむことができるサラダがオススメです。
紫水菜
赤水菜とは逆で葉が紫色をしています。一般的な水菜よりも葉や茎が太めでしっかりとしています。
水菜の栄養素
低カロリーですが、ビタミンやミネラルがバランスよく含まれており、緑黄色野菜ならではの高い栄養価が特徴です。ビタミンCは熱で壊れやすいですが、水菜は生食が出来るため、ビタミンCを摂取するにはうってつけの野菜です。
水菜の栄養成分表
エネルギー | 23kcal |
水分 | 91.4g |
ナトリウム | 36mg |
カリウム | 480mg |
カルシウム | 210mg |
リン | 64mg |
鉄 | 2.1mg |
ビタミンA βカロテン当量 | 1300μg |
ビタミンB1 | 0.08mg |
ビタミンB2 | 0.15mg |
ビタミンB6 | 0.18mg |
葉酸 | 140μg |
ビタミンC | 55mg |
食物繊維総量 | 3.0g |
※可食部100gあたり
水菜に期待される健康効果
緑葉素が余分なものを排出
緑葉素(クロロフィル)は青物野菜に多く含まれている成分です。緑葉素は体内に吸収されない為、小腸、大腸を通過する際に、コレステロールやダイオキシンなどの余分なものを巻き込みながら移動し、体外へ排出してくれます。
ポリフェノールが美肌をつくる
水菜には特有の複合ポリフェノールである「水菜ポリフェノール」が含まれています。紫外線などで傷ついた皮膚細胞に届き、壊れた細胞を素早く修復するはたらきがあると言われています。
水菜の選び方
葉先がピンとしてみずみずしく、葉の緑が鮮やかなものを選びましょう。また、茎は白くツヤがあり、まっすぐ伸びているのもポイントです。
葉がしなびていたり、茎が半透明になっていたりするものは鮮度が落ちています。根元が変色していないかも忘れずにチェックしましょう。
水菜には水耕栽培と露地栽培の2種類がありますが、露地栽培の方が大きく、風味が強いと言われています。
水菜の保存方法
傷みやすく、あまり日持ちしない為、購入後はできるだけ早めに使い切るようにしましょう。冷蔵庫に入れる時は、濡らした新聞紙かペーパータオルで優しく包んでからビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて保存しましょう。
寝かせて保存すると、上に伸びようと茎が曲がり、傷むのが早くなります。立てて保存できない場合は、5cm程度にカットした後、1~2分水にさらし水気を拭きとってから、ペーパータオルを敷いたタッパーに入れて保存します。時々蓋を開けてチェックし、ペーパータオルが濡れていたら取り替えるようにしましょう。
水菜の食べ方
露地栽培の場合は、根元に土が入り込んでいることが多い為、水をはったボウルの中で、数回かけてしっかり洗い流しましょう。サラダ等で生食する場合は、包丁で切るよりも手で折るようにすると食感よく仕上がります。
湯通しする場合は、シャキシャキとした歯ごたえを残すために手早く行うと良いでしょう。沸騰させたお湯に根本を入れ、やわらかくなったら葉先を沈め、5秒前後でザルに上げ手早く冷ましましょう。生食では辛味を感じる場合がありますが、加熱することでやわらぎます。
生でも加熱しても食べられる水菜は、様々な料理に活用できる野菜です。年中出回っており手に入りやすいのも嬉しいですね。美味しくて、栄養もたっぷりな水菜を積極的に食卓に取り入れてみて下さい。