三つ葉は香りが豊かな野菜。お吸い物や茶碗蒸しに載せていただくとおいしいですね。香り成分には食欲を高めたり、ストレスを抑えたりする効果があります。ここでは、三つ葉の栄養素や種類、冷凍保存の方法などをご紹介します。
三つ葉の特徴
三つ葉は、日本各地の山野に自生しているセリ科ミツバ属の多年草です。原産地は日本で、野山の水辺に自生していたものを摘んで使っていましたが、江戸時代から本格的に栽培されるようになりました。
名前の由来は、1本の茎に3枚ずつ葉がつくことから、三つ葉と呼ばれるようになりました。主にハウス栽培されたものが流通しています。
三つ葉の旬
三つ葉の旬は種類によってバラバラで、根三つ葉は3月~4月、切り三つ葉は12月~2月、糸三つ葉は1年中出回っているので旬はありません。
三つ葉の原産地
現在の主な生産地は、千葉県、愛知県、次いで茨城県、静岡県と続き、この4つの県で全国の半分以上を生産しています。
学名 | Cryptotaenia japonica |
分類 | セリ科・ミツバ属 |
原産地 | 日本 |
英名 | Japanese hornwort |
別名 | ミツバゼリ |
三つ葉の栄養素と効能
三つ葉の香り成分には、食欲を高め、胃もたれを防ぐ作用や神経の興奮を鎮める効果があります。また、カリウムやカロテン、ビタミンB群も豊富です。
エネルギー | 13kcal |
水分 | 94.6g |
灰分 | 1.2g |
カリウム | 500mg |
カルシウム | 47mg |
リン | 47mg |
鉄 | 0.9mg |
マンガン | 0.42mg |
ビタミンA β-カロテン当量 | 3200μg |
ビタミンK | 220μg |
ビタミンB2 | 0.14mg |
葉酸 | 64μg |
ビタミンC | 13mg |
食物繊維総量 | 2.3g |
※可食部100gあたり
三つ葉の香り
三つ葉の香りはクリプトテーネンやミツバエンという成分によるもの。消化を促したり、神経を安定させたりする効果を持っています。
三つ葉の選び方
全体的にピンとして、緑色が鮮やかで、色が濃いものを選びましょう。香りが強いものが良品です。
葉が黄色いもの、茎が折れていたり、茶色のものは、鮮度が落ちているので避けましょう。
三つ葉の保存方法
三つ葉は日持ちしないので、使う分だけを購入することをおすすめします。使い残した分は冷蔵庫で保存するか、冷凍保存します。
冷蔵保存
使い残した分は、洗わずに湿ったキッチンペーパーか新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。根元にスポンジがついている場合は、スポンジをはずして保存しましょう。4日~5日の保存が限度です。
冷凍保存
三つ葉を水洗いして、キッチンペーパーで水気をふき取ります。きちんと水気を取ることで、上手に冷凍できます。細かく刻んでラップなどで小分けして、フリーザーバッグに入れて冷凍庫で保存します。調理する時は、解凍せずに使います。凍ったまま使うと、筋が残ったような食感を感じずに食べることができます。
三つ葉の種類
栽培されている三つ葉には、3つの種類があります。
根三つ葉
ごぼうの先のような根が付いているものです。他の種類より日持ちがし、栄養価も高めです。歯触りが良いので、おひたし、和え物、卵とじ、かき揚げなどに向いています。
切り三つ葉
茎がやや太く、「葉セロリ」に似ています。根元で切断して、茎から上の部分が出荷されます。主に関東で出回っていますが、関西ではほとんど見かけません。アクが少なく、柔らかいので、生で茶碗蒸しやお吸い物の青みに使います。
糸三つ葉
スーパーの店頭に並んでいる三つ葉は、ほとんどが糸三つ葉です。水耕栽培されたものが、スポンジ状の床ごと根付きで出荷されます。香りが高いのが特徴です。用途は、切り三つ葉と同じです。
三つ葉の食べ方
熱を加えすぎると、色も歯ざわりも悪くなってしまいます。ゆでておひたしにする場合は、熱湯にサッとくぐらせて、すぐに冷水につけます。
茶碗蒸しやお吸い物の青みとして使う時は、生のまま入れたり、火の止め際に入れるようにします。香りを活かして、生のままサラダに使うことも出来ます。
三つ葉についてご紹介しました。保存しづらいですが、シャキっとした歯ごたえと、豊かな香りが楽しい野菜です。茶碗蒸しやお吸い物に添えていただきましょう。