キャベツは栄養が豊富で、生のままサラダにしても、加熱してもおいしい野菜。季節ごとに品種の異なるキャベツが出回っているので1年中楽しめます。品種によって、味や食感などが違うので、それぞれの時期でそれぞれに合った楽しみ方をしたいですね。
キャベツの特徴
キャベツはアブラナ科の野菜。秋に発芽して越冬し、翌年に開花結実する越年草です。古代から利用されており、ヨーロッパに広く広がりました。当時は野菜ではなく、薬草としての利用が中心で、胃腸の調子を整える健康食でした。野菜としての栽培は9世紀頃からとされます。
現在の日本で親しまれている品種は、13世紀頃のイタリアで品種改良されたものという説が有力です。その後18世紀頃にアメリカに渡り、肉厚な葉のキャベツが栽培されるようになりました。日本に渡ったのは幕末の頃です。
店頭に出回るキャベツは大きく分けて2種類。水分を含んで柔らかい春キャベツと、葉が密集し楕円形をしている冬キャベツです。これらは季節によって育ち方が違うということではなく、品種が異なります。春キャベツの旬は3〜5月頃、冬キャベツの旬は1〜3月頃です。また、冬キャベツの改良品種で、高原で育てる夏キャベツというのもあります。夏キャベツの旬は5月〜7月頃です。
学名 | Brassica oleracea |
分類 | アブラナ科アブラナ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
仏名 | chou |
独名 | Kraut |
キャベツの栄養素
エネルギー | 23kcal |
水分 | 92.7g |
炭水化物 | 5.2g |
ナトリウム | 5mg |
カリウム | 200mg |
カルシウム | 43mg |
マグネシウム | 14mg |
リン | 27mg |
ビタミンA β-カロテン当量 | 50μg |
ビタミンK | 78μg |
ナイアシン | 0.2mg |
葉酸 | 78μg |
ビタミンC | 41mg |
食物繊維総量 | 1.8g |
※可食部100gあたり
キャベツに期待される健康効果
多くの栄養素を含んでいて、特にビタミンCとビタミンUを多く含む点が特徴となります。
火を通してもそのままでも美味しく頂けますし、多くの料理に使えますので食卓で重宝する野菜です。
ビタミンUが胃粘膜を保護
キャベツに含まれるビタミンU、別名キャベジンは、過剰な胃酸を抑える効果や胃粘膜の保護・修復をする効果があるとされています。胃をサポートしているので、脂っこいメニューに合わせて食べることも多くあります。
ビタミンU・ビタミンCが肝臓を助ける
キャベツに含まれるビタミンUは胃だけではなく、肝臓にも作用します。肝臓内の脂肪の分解を促進するのです。
また、キャベツに含まれるグルコミノレートという物質が、肝臓内の有害物を分解促進します。ただ、グルコミのレートはそのまま食べると分解されてしまうので、お酢をかけていただくのがおすすめです。
豊富なカルシウムが骨を強化
キャベツの葉の部分には豊富なミネラル、アミノ酸が含まれています。そのうちの1つがカルシウム。また、骨粗鬆症の予防になると言われているビタミンK、コラーゲンの生成に役立つビタミンCも含まれています。
キャベツの選び方
春キャベツと冬キャベツで選び方は異なります。
春キャベツの選び方
春キャベツは葉が柔らかく、ふんわりした食感が特徴です。この食感が活きるよう葉の巻きが緩いものを選びましょう。また、色は鮮やかな緑で、ハリツヤのあるものがベスト。切り口が見える場合には芯が小さいものがおすすめです。
冬キャベツの選び方
冬キャベツは、しっかりとした歯ごたえが特徴。巻がしっかりとしていて、葉の詰まったものを選びましょう。持った時に重く、固いものがおすすめです。芯が伸びているものは避けてください。
キャベツの保存方法
カットしたキャベツは、切り口から痛みやすくなってしまいます。できるだけ切り口が空気に触れないように保管するのが良いでしょう。
玉のまま保存する
スーパーの袋などに入れて、袋の口をゆるく縛った状態で冷蔵庫に保存しましょう。芯の部分をくり抜き、キッチンペーパーなどを濡らしたものを詰めると更に日持ちします。
冷凍保存する
冷凍保存するときはさっと下茹でしてから冷凍庫に入れましょう。
キャベツの食べ方
キャベツは生で食べても、炒めものにしても、煮込み料理にしてもおいしい、幅広く使える野菜です。ただし、長時間加熱すると、ビタミンCやビタミンUなどの水溶性ビタミンが流れ出てしまうため、しっかり栄養を取るなら生が一番。流れ出た栄養まで丸ごといただけるスープなどにしてもいいですね。
また、ビタミンKやβカロチンなどは脂溶性のビタミンです。油に溶けて吸収しやすくなるので、炒め物などにして食べると効率良く摂取できます。
キャベツの豊富な栄養と保存方法や食べ方についてご紹介してきました。胃の保護や骨の強化など様々な作用が期待できます。品種によって旬が異なるので、その時期に合わせたおいしいキャベツを選んでください。