胎児の発育や造血に必要な栄養素として注目されている葉酸。食事から摂取することが望ましい一方、損失しやすい性質や、妊娠初期には普段よりも多く必要になることから、意識的に摂取したいという方も多いことでしょう。ここでは葉酸が多く含まれる野菜や食材。また、葉酸の働きや不足した場合、過剰に摂取した場合にどうなるのかについてご紹介します。
葉酸とは?
葉酸はビタミンB群の一種。ほうれん草の抽出物から発見された、プテリジン、パラアミノ安息香酸、グルタミンの結合物です。
食品に含まれる葉酸のうち、体内で利用される割合は50%と見積もられており、摂取しにくい栄養素です。
また、赤血球の形成や胎児の正常な発育に重要な役割を果たすとして、妊娠中には特に必要になる栄養素としても知られています。
葉酸が持つ働き
葉酸には次のような働きがあります。
- 貧血予防
- 皮膚の健康を保つ
- 病気に対する抵抗力をつける
- 赤血球の合成
- DNAの合成促進
- 発育促進
- 動脈硬化防止
不足した場合、欠乏症は?
葉酸は通常、欠乏することはないと言われています。欠乏した場合には、巨赤芽球性貧血を引き起こすことがあります。
妊娠初期に不足すると、胎児に神経管閉鎖障害を起こす可能性があります。
一日に必要な摂取量
1日の摂取の目安は、20〜60代の男女で240μgです。妊娠中はさらに240μg。授乳中の場合は100μg増えます。
なお、サプリメントや強化食品に含まれるプテロイルモノグルタミン酸は、食品中に含まれる葉酸よりも、体内利用率が約2倍高く、耐用上限量が設けられています。
- 20代:900μg
- 30代〜60代:1,000μg
- 70代以上:900μg
葉酸の含有量が多い野菜
必要な葉酸の摂取量を踏まえたところで、含有量が多い野菜を見てみましょう。
含有量 | µg/100 g | |
---|---|---|
1 | なばな | 340 |
2 | えだまめ | 320 |
3 | モロヘイヤ | 250 |
4 | めキャベツ | 240 |
5 | パセリ | 220 |
6 | あさつき | 210 |
7 | ぜんまい | 210 |
8 | ブロッコリー | 210 |
9 | ほうれんそう | 210 |
10 | アスパラガス | 190 |
※上記は生食時
葉酸が多いその他の食材
野菜以外の食材では、次のような食材も含有量が多いので積極的に摂取すると良いでしょう。
- 鶏レバー:1,300μg
- 牛レバー:1,000μg
- 焼のり:190μg
- 板わかめ:51μg
- いちご:90μg
- マンゴー:84μg
- 納豆:120μg
- ゆでひよこ豆:110μg
葉酸を含む野菜の上手な食べ方
葉酸の含有量が多い食材は多数ありますが、調理法には注意が必要です。というのも葉酸は、光や熱に弱い上に、水溶性のビタミンであるため、調理や保存で損失しやすいのです。
保存する際は、冷蔵庫などの冷暗所へ。調理の際は手早く済ませるのが、上手に摂取するためのポイントです。
葉酸サプリの活用も!
葉酸は不足しにくい栄養素ではありますが、妊娠中などの特に摂取が必要な場合においては、サプリメントを活用することもできます。妊婦向けの葉酸サプリは多数販売されているので、必要に応じて活用すると良いですね。
ただし、過剰摂取には注意が必要です。サプリメントに含まれる葉酸は、食品中に含まれる葉酸とは異なるプテロイルモノグルタミン酸です。これは、食品中に含まれる葉酸よりも、体内利用率が高いため、とりすぎないよう配合量の確認を怠らないようにしましょう。
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過剰摂取するとどうなる?
葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)を過剰摂取した場合には、発熱・蕁麻疹・紅斑・かゆみ・呼吸障害などを引き起こす可能性があります。
また、妊娠中でも葉酸が特に必要なのは、妊娠初期とされており、妊娠後期では過剰摂取になるリスクもあるので、よく確認が必要です。
以上、葉酸についてご紹介しました。妊娠時の摂取について、注目を浴びているビタミンですが、食材からの摂取を基本とし、過剰摂取にならないよう配慮することが重要です。上手に調理して、適量をしっかり摂取できるといいですね。