生姜は世界で広く利用されている薬効の高い植物です。喉が痛いときや体を温めたいときに、生姜湯を飲むという人も多いのではないでしょうか。また魚や肉などの臭みを取る効果もあるので、料理にも上手に取り入れたいですね。
生姜の特徴
生姜の旬は初夏に出回るハウス栽培の新生姜が5月末から7月末に市場に出回ります。旬の採れたての風味を味わうなら、新生姜がおすすめです。
一方で薬味に使われる土生姜として販売される生姜は、露地栽培です。収穫時期は10月から12月の霜が降りるまで。収穫後は1〜2カ月間、土付きのまま寝かして風味を上げてから出荷されるので、新物が出回るのは一般的に1月〜2月以降となります。
生姜の原産地について詳しいことはわかっていませんが、東南アジアが原産地といわれており、中国を経て、日本に入って来たと考えられています。
日本国内では江戸時代に一般庶民に広がり、現在では主に九州から関東で栽培されています。最も栽培が多いのは高知県です。
学名 | Zingiber officinale |
分類 | ショウガ科ショウガ属 |
原産地 | 熱帯アジア |
仏名 | gingembre |
生姜の品種
国内で出回る一般的な生姜は主に下記の通りです。
大生姜
国内で一般的に栽培されている品種で、根茎は大きく、肉色が白いのが特徴。酢につけると、色素が酢に反応して、ピンク色に染まります。土佐一という名前でも販売されています。
中太種
栽培が難しく、根茎が大生姜より小さいので、農家の方は栽培したがらない生姜です。特徴は辛味と香りが強く、肉色は黄色で、繊維が少なくおろしやすいのが特徴です。
大生姜と色素が異なりますので、酢に漬けても色は変まりませんが、おろした後も鮮やかな色をキープします。国内では、黄金生姜としいう名前で親しまれています。
小生姜
根茎は小さく、辛味や香りは強く、肉色は黄色です。三州生姜という名前で売られており、特徴的なシャープな辛味があるため、薬味用として親しまれています。
生姜の栄養と効能
生姜の爽やかな香りはジンゲロールという成分によるもの。加熱するとショウガオールに変化し、どちらも血行を良くし、体を温める働きをします。風邪のひき始めや冷え性、生理痛などにも有効です。
また、魚や肉の臭みを取る消臭作用、細菌の増殖を抑える抗菌作用や抗酸化作用が高いので老化やガン予防の効果も期待できます。
エネルギー | 30kcal |
水分 | 91.4g |
タンパク質 | 0.9g |
炭水化物 | 6.6g |
灰分 | 0.7g |
ナトリウム | 6mg |
カリウム | 270mg |
カルシウム | 12mg |
マグネシウム | 27mg |
リン | 25mg |
鉄 | 0.5mg |
マンガン | 5.01mg |
ビタミンB1 | 0.03mg |
ビタミンB2 | 0.02mg |
食物繊維総量 | 2.1g |
※可食部100gあたり
生姜の選び方
表面に腐りや変色がなく、みずみずしいものを選んでください。たまに発芽があるものもありますが、生姜の芽にはジャガイモ のように毒性はありません。むしろ元気な証拠ですのでおすすめです。芽の部分は食べれますし、酢漬けにもされています。
生姜の保存方法
生姜は乾燥に弱いので、ご家庭で保存する際は、濡らしたキッチンペーパーにくるんで、冷蔵庫の野菜室で保管されるとよいでしょう。
生姜の食べ方
新生姜は肉質が柔らかく、辛味はマイルドなので、そのままスライスして、サラダのトッピングにしたり、酢漬けにして楽しめます。また、炊き込みご飯の具にしても香りが立ち、おいしく召し上がれます。
土生姜は、薬味用途がほとんどですが、煮魚に入れて、生臭みを消したり、肉を柔らかくする効果があるので、すじ肉や鯨肉の煮付けによく使われます。
生姜シロップの作り方
新生姜を使うときれいなピンク色に仕上がります。
- 保存容器を消毒する
- 生姜の皮をむき、薄切りにする
- 鍋に薄く切った生姜、砂糖、はちみつを入れ強火にかける
- 沸騰したら弱火にし、香りが出るまで10分程度煮る
- 火から下ろし、レモン汁を入れ、全体になじむように混ぜ合わせる
- 粗熱を取り、保存容器に移して完成
水や炭酸水で割って飲むと手軽においしくいただけます。
ジンジャーティーのおすすめ
ジンジャーティーは、紅茶と生姜をブレンドしたものが定番。さらにフルーツを加えてさっぱりした味わいのものもあります。より体を温めるなら金時生姜が入ったものを選んでもいいでしょう。
おすすめのジンジャーティーを3つご紹介します。
喉が痛いときや、風邪のひき始めには生姜とよく言いますが、体を芯から温めてくれるため、ありがたい食材です。寒くなってくる頃に生姜シロップを作っておいて、毎日少しずつ飲んでいくのもいいですね。