びわ(枇杷)の栄養素と効能|食べ方や保存方法も

初夏を感じさせる枇杷(びわ)は、程よい甘さで、手軽にむいて食べられるおいしい果物です。その栄養価の高さから昔は薬としても使われたのだとか。びわの栄養素や効能、食べ方、保存方法などについてご紹介します。

びわの特徴

びわの旬は4月の春先から7月の初夏まで。季節性の高い果物といわれています。寒さに弱い果物で、年間の平均気温が15度以上の温暖な土地でないと栽培が難しくなります。そのため、びわの木は冷気の停滞の少ない山の斜面に植えられることが多かったようです。

しかし近年ハウス栽培が主流になったおかげで、ある程度年間を通して流通量が安定してきました。

学名Eribotrya japonica
分類バラ科ビワ属
原産地中国南部
仏名neglier du Japon
独名Japanische Mispel
おいしい時期5月〜6月

びわの栄養素

びわにはβ-カロテンとβ-クリプトキサンチンが含まれています。これは体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力、皮膚粘膜の健康維持にやくだちます。さらに喉や肺などの呼吸器系統を守る働きがあると言われています。また、ポリフェノールも含んでおり、ガンの予防にも効果的です。

エネルギー40kcal
水分88.6g
タンパク質0.3g
炭水化物10.6g
カリウム160mg
カルシウム13mg
マグネシウム14mg
亜鉛0.2mg
マンガン0.27mg
ビタミンA β-カロテン当量810μg
ビタミンB10.02mg
ビタミンB20.03mg
ビタミンB60.06mg
食物繊維総量1.6g

※可食部100gあたり

昔から薬としても使われた果物

びわは昔は民間治療や薬に使われていました。葉を刻んで日干しにし、煎じた汁を飲むと下痢止めに良いとされています。またその汁を薄めてうがいをするとセキの緩和やのどの炎症に効くとされています。

びわの品種

びわにはたくさんの品種があります。その中でも代表的なものを紹介します。

茂木(もぎ)

現在日本で栽培されている主な品種になります。露地物は5月下旬から6月上旬。この品種は江戸時代に中国から長崎に伝えられた唐ビワの実生から育成され、長崎県の茂木という地で主に栽培されたためこの名が付きました。果重は平均40gで甘味が強く酸味は抑えられた品種となっています。

田中(たなか)

この品種は田中芳男博士が、明治12年頃に長崎から種を持ち帰り、東京で育成された品種になります。現在は千葉で栽培が主流となり、房州びわとも呼ばれています。露地物は6月上旬から6月下旬。茂木よりも大粒なのが特徴で、果重の平均は60g。ほどよい酸味があります。

長崎早生(ながさきわせ)

昭和49年に長崎県果樹試験場で、本田早生と茂木とを交配させて誕生した品種。ハウス栽培に優れていて、その旬は2月から4月。形は茂木に似ていますが果重は50gと茂木よりやや大きいのが特徴。果汁も多く甘味の強い品種です。

びわの選び方

びわの実

びわは、桃やメロンと違って追熟しない果物です。収穫後はできるだけ鮮度が高いうちに食べるのがおすすめです。表面に生えているうぶ毛のようなものが抜け落ちていないもの、果皮に張りがあるものが新鮮です。

びわの保存方法

びわは品質劣化が早い果物です。先にも述べたように追熟しない果物なので、そのままの状態では保存に適していません。また、暑さにも寒さにも弱いので、保存するのであれば冷暗所に2日程度が限度です。

びわの食べ方

びわの皮はとても薄いので、簡単に手で剥いて食べることができます。

1、びわを洗う

実のくぼみ部分に小さな葉や枝が付着している場合があるので、水でさっと流します。あまりゴシゴシと洗うと実が傷ついてしまうのでNGです。

2、手で皮を剥く

頭からでもおしりからでも剥きやすいですが、綺麗に剥きたいという方は、おしりの星の形をしているとこから五等分に剥くのがおススメです。

3、びわの種を取る

びわには種が4個から多いもので7個入っています。小さめのスプーンを頭から挿し入れ、実がつぶれない程度の力で取り出すことができます。

びわは皮を剥いたあと、そのまま置いておくとすぐに茶色く変色してしまいます。変色防止として、塩水を使用します。リンゴと同様に塩水につけると予防できます。長期で保存したい場合は、コンポートがおすすめです。

びわ
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