ピーマンの名前の由来はフランス語のピマン、とうがらしという意味です。ピーマンは、明治時代に日本に到来しました。1960年代以降、栄養的に優れた野菜として広く普及が進み、いつでもスーパーで買える身近な野菜となりました。ピーマンの栄養分や食べ方、保存方法を知って、美味しくいただきましょう。
ピーマンの特徴
ピーマンの原産地は熱帯アメリカ、ナス科トウガラシ属の果菜です。もっとも流通しているのは、中型で緑のタイプでピーマンの未熟果です。赤のカラーピーマンは緑のピーマンの熟したものです。大型で肉厚のパプリカは、甘味が濃く生でも食べられるように改良された品種です。他に、バナナピーマン、フルーツパプリカセニョリータがあります。ピーマンは施設栽培などで通年栽培され流通していますが、露地栽培のピーマンの旬の時期は7~9月です。
学名 | Capsicum annuum |
分類 | ナス科トウガラシ属 |
原産地 | 熱帯アメリカ |
仏名 | poivron |
ピーマンの栄養素
ピーマンには、加熱によって壊れにくいビタミンCが豊富に含まれています。大きめのピーマン一個に含まれているビタミンCの量はレモン一個に相当します。ビタミンE、ベータカロテンも含まれており、夏の栄養補給に嬉しい野菜です。また、ピーマン特有のピラジンは、血液をサラサラにする効果があります。
エネルギー | 22kcal |
水分 | 93.4g |
カリウム | 190mg |
マグネシウム | 11mg |
リン | 22mg |
ビタミンA β-カロテン | 400μg |
ビタミンK | 20μg |
ビタミンB1 | 0.03mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ナイアシン | 0.6mg |
ビタミンB6 | 0.19mg |
葉酸 | 26μg |
ビタミンC | 76mg |
食物繊維総量 | 2.3g |
可食部100gあたり
ピーマンに期待される健康効果
においのもとピラジンが血液をサラサラに
ピーマンに含まれているピラジンは、血液をサラサラにする効果があるので、血栓を防ぎ、脳梗塞、心筋梗塞の予防に役立つと考えられています。
ビタミンCで美肌効果
ピーマンに含まれているビタミンCは、加熱しても損失されにくいのが特徴です。ビタミンCには、メラニン色素の沈着を防ぐ役割があり、美肌効果が期待できます。
クロロフィルが貧血予防に効果的
ピーマンに含まれている色素成分であるクロロフィルは、体内でヘモグロビンの生成を助けることから貧血の予防や改善に効果があるといわれています。
ベータカロテンで老化抑制
ピーマンに含まれるベータカロテンは、抗酸化作用により、細胞の老化を抑制し、がんや動脈硬化の予防に働きます。
カプサイシンが代謝を促進
ピーマンには少量ながらカプサイシンが含まれています。カプサイシンには脂肪や炭水化物の代謝を活性化する働きがあり、肥満予防や疲労回復に効果があります。
カプサンチンが生活病を予防
赤ピーマンに含まれているカプサンチンは、強い抗酸化力をもちます。悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化や生活病の予防に役立ちます。
豚肉と合わせてコラーゲン生成アップ
ピーマンに含まれるビタミンCには、コラーゲンの合成を促進する作用があります。ピーマンと豚肉を合わせてとると、ピーマンに含まれるビタミンCが豚肉のタンパク質によるコラーゲン生成を助けます。
ピーマンの選び方
張りとつやがあり、色鮮やかなものが良品です。ピーマンはヘタの部分から傷んできます。ヘタの切り口が黒ずんでいない新鮮なものを選ぶようにしましょう。実の一部が赤くなっているものは熟成が進んでいることを示しており、青くささが減って甘味が増しているのが特徴です。
ピーマンの保存方法
ピーマンは水気に弱いので、しっかり水気をふきとって、ポリ袋に入れて密閉します。冷蔵庫の野菜室で保存します。袋の中に、一つでも傷んだものがあると、他のものも痛みやすいので、注意が必要です。
ピーマンの食べ方
生で食べる
生のピーマンを縦にほそ切りにします。細切りにしたピーマンに、塩こぶとあえて手でもむように混ぜて味をなじませます。
肉詰めにする
緑ピーマンのワタとタネには、ピラジンが豊富に含まれています。ピーマンの肉詰めを作る際、ワタ付きでつくると、ピラジンを美味しく食べることができ、詰めた肉もはがれにくくなります。
- ピーマンを半分に切る
- 合いびき肉、玉ねぎ、牛乳、パン粉をまぜてこね、塩コショウで味を整える
- 肉だねをピーマンに詰める
- フライパンでむし焼きにする
まるごと煮る
緑ピーマンは、まるごとめんつゆで煮ると、ピラジンの含まれるワタやタネもおいしく食べることができます。
- 火の通りをよくするため、ピーマンに竹串で穴を多めにあけておく
- 油を中火で熱し、ピーマンを入れて炒める
- めんつゆと酒を加えてピーマンがくったりとするまで煮る
好みで、七味唐辛子をふっても美味しくいただけます。
ピーマンの栄養と保存方法、食べ方をご紹介してきました。身近なお野菜の一つ、ピーマン。ピラジンが多く含まれる緑ピーマン、ベータカロテンなどがより含まれている赤ピーマン、食べやすくて栄養豊富なパプリカなど種類が豊富です。様々なピーマンをうまく利用して、日々の食生活に取り入れてみてくださいね。