濃厚な甘さと、豊富な栄養を備えているドリアン。国王が精力増強の為に好んで食べた事から、「王様の果物」と言われ、やがて「果物の王様」と呼ばれるようになりました。名前は誰もが知っている有名なフルーツですが、ドリアン=臭いというイメージになっている方も多いのではないでしょうか。しかし、驚く事に新鮮なドリアンは、あの独特な香りが全くしません。今回は、そんな不思議な魅力たっぷりなドリアンの栄養素や効能、食べ方などを紹介します。
ドリアンの旬は年2回
もともと1年に2回しか実のならないドリアン。産地のシンガポールやマレーシアでの旬は6~8月、11~1月になります。日本には年間を通して、タイとフィリピンから輸入され、大量に安く出回る5月頃から夏にかけてがもっとも美味しい時期となります。
品種によって味が違う
ドリアンの品種は約200種あると言われていますが、日本に輸入されるドリアンの種類は、主にチャネー種とモントーン種です。チャネー種の果肉は柔らかくて甘いのですが、独特のにおいが強いので、ドリアン初心者にはややきつめ。一方、モントーン種の果肉は程よい甘さで、適度な硬さもあり、独特な香りも少ないので、比較的食べやすいのが特徴です。
ドリアンの原産地
ドリアンは東南アジアのボルネオ島周辺が原産地で、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア等で栽培が盛んです。ドリアンの「ドリ」はマレー語でトゲ、「アン」は果実の意。主な収穫地はマレーシアとタイで、日本に輸入されているドリアンのほとんどがタイから輸入されたものです。その他僅かにフィリピンからも入ってきています。
学名 | Durio zibethinus |
分類 | パンヤ科ドリアン属 |
原産地 | マレー半島、ボルネオ島 |
おいしい時期 | 輸入:周年 |
ドリアンの栄養素と効能
マグネシウムやリン、銅など身体の機能を保つミネラル類が豊富。またビタミンB郡の含有量が非常に多いので、疲労回復や皮膚、爪の再生に効果があります。
エネルギー | 133kcal |
水分 | 66.4g |
タンパク質 | 2.3g |
脂質 | 3.3g |
炭水化物 | 27.1g |
カリウム | 510mg |
マグネシウム | 27mg |
リン | 36mg |
ビタミンB1 | 0.33mg |
ビタミンB2 | 0.20mg |
ナイアシン | 1.4mg |
ビタミンB6 | 0.25mg |
葉酸 | 150μg |
ビタミンC | 31mg |
食物繊維総量 | 2.1g |
※可食部100gあたり
ドリアンの選び方

ドリアンは食べ頃を見極めるのが難しい果物のひとつですが、完熟を知るためのポイントを7つ上げますので、購入の参考にしてください。
- とげが硬く尖っているものが新鮮
- 振ってみると低い音のするものは実が詰まっている
- 5つの膨らみがなるべく均等に膨らんでいるもの
- 小さい膨らみの部分には果肉が入っていないこともあるので要注意
- 側面に鼻を近付けると香ってくるぐらいがほどよい熟し加減
- 色は、緑色から茶色に変化しているものがいい
- 同じサイズなら、持ってみて軽い方がおすすめ。重いほうは種が大きく実の水分が多い可能性が高い。
ドリアンの保存方法
熟していない実は常温で追熟させよう
まだ緑色が強く、花落ち部分が割れていないものは未熟ですので常温で色が変わるまで置きます。なお、冷蔵庫に入れると追熟しないので必ず常温に置くようにしましょう。
匂いが漏れないよう密封容器に
果肉部分は、冷蔵又は冷凍保存出来ます。その際必ず密封できる袋に入れて冷蔵庫に入れ保存。冷蔵では約1週間ほど、冷凍する場合は約1ヶ月持つといわれています。種を取り除いてからやはり同じように密封できる袋に入れて冷凍しますが、やはり味は多少落ちてしまうようです。
ドリアンの食べ方
ゴツゴツした見た目に反して、十分に熟したドリアンの外殻は意外と固くはありません。包丁がサクッと入るので、実が入っている部分を傷つけないように剥くのがポイント。
大体ドリアンには実が5房入っている
ドリアンは熟してくると殻に亀裂が入ってくるのですが、通常は、なたなどを使って縦に固い殻を割り、果肉部分を露出させます。
亀裂に沿って包丁を入れる
亀裂に合わせて、ドリアンの頭部分(またはお尻部分)に包丁で長さ5cm深さ1cm程度の切り込みを軽く入れてから、後は両手で皮を左右に割くように引っ張ると、きれいに皮を剥くことが出来ます。
割ったらすぐ食べないと味が落ちてしまう
硬い果皮を割った後は、中の白い実を取り出します。果実はナイフで切って、すぐお召し上がりください。果皮の上に、果実を置いても雰囲気が出て素敵ですね。
トゲには要注意
ドリアンには硬く鋭いトゲがあるので手やテーブルが傷つかないように注意が必要。切るときには軍手をはめ、ドリアンの下にはタオルなどを敷くようにしましょう。