夏の代表的な果物といえばすいか。暑くなってくると食べたくなる果物ですね。そのすいかには、私達が暑い夏を乗り切るためのたくさんの魅力がつまっていることを知っていますか?普段何気なく食べているすいかの栄養、効果、特徴を知ることで、より美味しくすいかを食べましょう。
すいかの特徴
すいかはウリ科の果実です。中国の西方から伝わった瓜とされることから漢字で「西瓜」と書きます。旬は7月から8月。果肉は90%以上が水分という特徴もあります。 すいかの原産地は熱帯アフリカのサバンナ地帯です。日本にすいかが伝わったのは室町時代以降とされており、ポルトガル人が、日本にすいかの種やかぼちゃの種を持ち込んだと言われる説や、また中国から種を持ち込んだという説があります。
学名 | Citrullus vulgaris |
分類 | ウリ科スイカ属 |
原産地 | 熱帯アフリカ |
仏名 | pasteque |
独名 | Wassermelone |
すいかの品種
普段目にしているすいかには、実はいくつもの品種があり、その特徴を知って選ぶのも楽しみの一つです。すいかの品種をご紹介しましょう。赤肉系大玉品種、種なし品種、小玉品種、黒皮系品種、長形品種、黃肉系品種、漬物用品種などたくさんの品種があります。すいかは赤色というイメージがある中、時々目にする黄色い果肉のすいかは黃肉系品種です。多くの品種の中から、一部ご紹介します。
紅小玉
紅小玉は、小玉品種の代表的品種。重さは2kg前後で、糖度は12度ほどです。舌触りよく爽やかな甘みが特徴。通常の大きさよりも小さいため、冷蔵庫にも入れやすく気軽に購入しやすいという利点があります。
黃小玉
サイズは紅小玉と同じく小玉品種の一つ。果皮が緑で、果肉が黄色いクリーム色をしています。以前はやや淡白な風味で甘さも控えめでしたが、最近では黄小玉の糖度は高く、シャリシャリとした歯ざわりを楽しめるほか、黄色い果肉に黒い種というコントラストも特徴です。
ダイナマイトスイカ
ダイナマイトスイカは黒皮系品種の一つで、黒に近い新緑色の果皮が特徴です。真っ赤な果肉はみずみずしく、高級スイカとして贈答用にされるなど人気があります。北海道のJA月形が開発したすいかです。
すいかの栄養素
夏の疲れを癒してくれるすいか。そのすいかの90%以上が水分ですが、その果皮、果肉には夏の疲れで弱った体を癒してくれる優れた栄養成分が含まれています。
エネルギー | 37kcal |
水分 | 89.6g |
タンパク質 | 0.6g |
炭水化物 | 9.5g |
灰分 | 0.2g |
カリウム | 120mg |
マグネシウム | 11mg |
リン | 8mg |
鉄 | 0.2mg |
ビタミンA β-カロテン当量 | 830μg |
ビタミンB1 | 0.03mg |
ビタミンB6 | 0.07mg |
ビタミンC | 10mg |
食物繊維総量 | 0.3g |
可食部100gあたり
すいかに期待される健康効果
すいかにはたくさんの水分が含まれているため、暑い夏には水分補給とともに、利尿作用によって老廃物の排出を促し、疲れた体を癒し、体を冷やす効果もあります。カリウムが多く含まれるため、塩分の取り過ぎが気になる高血圧の方にはおすすめの果物です。また、種には体に良いとされているリノール酸が豊富に含まれています。
カリウムがむくみを改善
すいかにはカリウムが多く含まれています。このカリウムの利尿作用により、体に溜まった余分な水分が排出され、むくみ解消につながります。
抗酸化作用があるカロテンとリコピン
カロテンとリコピンが含まれており、これらには、免疫力を高め皮膚や粘膜を強くし、有害な活性酸素の働きを抑えてくれる、強い抗酸化作用があります。抗酸化作用により、細胞の老化を防いだり、がんや血管系の病気の予防に効果があるとされています。
皮に含まれるシトルリンが動脈硬化を予防
すいかの果皮にはシトルリンという成分が多く含まれています。シトルリンは、私たちの体の中やすいかなどのウリ科の植物に多く含まれている、アミノ酸の一種です。シトルリンは、健康な血管に不可欠な成分として、血管を広げ、血行を良くし、強くしなやかにする力があります。これにより高血圧や動脈硬化の予防効果が期待できる成分です。
すいかの選び方
せっかく選ぶなら美味しいすいかがいいですよね。美味しいすいかを選ぶにはいくつかのポイントがあります。たとえば、縞模様が濃くはっきりしているもの。ツルの部分よりも周りが盛り上がっているもの。また、すいかを叩いた時に、高い音ではなく低い音で「ボンボン」という音なら完熟している証です。ぜひ甘くて美味しいすいかを見つけてみてください。
すいかの保存方法
丸のままなら風通しのよい場所で保管し、カットされているものは切り口をラップし冷蔵庫へ。一口大に切って冷凍もできます。
すいかの食べ方
すいかの甘みを美味しく感じられる適温は15℃で、冷やしすぎないようにするのがポイントです。 また余りそうになったら、一口大にカットし冷凍庫で保存でき、スムージーに使ったり、はちみつやレモンをかけてシャーベット感覚で楽むこともできます。
夏の風物詩であるすいか。夏が旬のすいかには、暑い夏から私達を守ってくれる優れた成分がいっぱいです。夏バテ予防にも効果的なすいかで、ぜひ健康で快適な夏をお過ごし下さい。