りんごの豊富な栄養と食べ方・保存方法

欧米では、「一日一個のりんごが医者を遠ざける」といわれるりんご。日本でも、体によい果物の代表格として知られています。りんごは、そのまま食べるのはもちろん、ジュース、ジャム、アップルパイと、調理・加工方法も豊富です。りんごの栄養分や食べ方、保存方法を知って、美味しくいただきましょう。

りんごの特徴

箱の上のりんご

りんごはバラ科リンゴ属落葉高木樹の果物です。漢字では林檎と表記されます。コーカサス地方の北部が原産地と推定されており、起源はおよそ4000年前といわれています。世界中で7500種以上のりんごがあるといわれていますが、最も生産されているのは「ふじ」でFujiの名で親しまれています。国内でも「ふじ」の生産量が最も多く、果汁が豊富で歯ごたえが良いのが人気です。

他には、酸味が強く甘味も十分含む「ジョナゴールド」、ジューシーでまろやかな「津軽」、青みがかった色に芳醇な香りが特徴の「王林」が人気です。「紅玉」は、独特の強い酸味があり、煮崩れしないので料理やお菓子づくりに使われます。秋から冬にかけてが、りんごがよく出回る時期です。

りんごの栄養素

りんごには、疲労回復効果のある有機酸やビタミンC、体内の塩分を排出するカリウム、整腸作用のある食物繊維が多く含まれています。ポリフェノールなどによる抗酸化作用や脂肪低減作用、老化防止効果も期待されています。

エネルギー54kcal
水分84.9g
タンパク質0.2g
脂質0.1g
炭水化物14.6g
灰分0.2g
カリウム110mg
カルシウム3mg
マグネシウム3mg
リン10,g
ビタミンB10.02mg
ナイアシン0.1mg
ビタミンB60.03mg
ビタミンC4mg
食物繊維総量1.5g

※可食部100gあたり

りんごに期待される健康効果

りんごの断面

りんご酸など有機酸の疲労回復効果

りんごには、りんこ酸、クエン酸、酒石酸などの有機酸が含まれています。体内の酸性物質の分解を促し、疲労を回復させる効果があります。

プロシアニジンの消化吸収抑制効果・疲労軽減効果

りんごに含まれているリンゴポリフェノールの主成分は、プロシアニジンです。カテキンが結合してでいたプロシアニジンには、脂肪の吸収を抑制する効果や、慢性的な疲労を軽減する効果が期待できるといわれています。

プロシアニジン・アントシアニンの抗酸化作用

りんごの皮に含まれているプロシアニジン・アントシアニンには、抗酸化作用があります。活性酸素の働きを抑えて、老化の抑制やがん予防に効果が期待されます。

ペクチンがコレステロールを吸収

りんごに含まれる水溶性食物繊維のペクチンには、悪玉コレステロールを下げる働きがあり、心筋梗塞の予防にも役立つといわれています。

ビタミンCが免疫を向上

りんごに含まれているビタミンCには、ウィルスを排除する白血球の働きを強める役割があり、免疫力を高め、風邪を予防する効果があります。

りんごの選び方

収穫前のりんご

皮に張りとツヤがあり、実が良くしまっているものを選びます。大玉より中玉のほうが、味がよく日持ちがするといわれています。ずっしりしたりんごには果汁が多く含まれており、熟したりんごからは芳醇な香りがたちます。

りんごは熟成が進むと、リノール酸やオレイン酸などの不和脂肪酸が生成されますが、りんごの皮に含まれる天然成分と合わさり、表面上にワックス状の膜が作られます。このため、皮がワックスをかけたように光ります。

りんごの保存方法

りんごは温度差に弱い果物です。温度の安定している涼しい場所に保管します。りんごから発生するエチレンガスは、他の野菜や果物の追熟や発芽を促すので要注意です。冷蔵庫に入れる場合は、ポリ袋などに入れ口をしめて保管します。

りんごの食べ方

りんごの切り方

りんごは、縦に切って、芯の部分を除き皮をむく方法が一般的です。この方法だと、芯と皮の栄養がつまった部分を取り除いてしまうことになります。輪切りにすると、栄養がつまっている芯とその周りの部分も食べることができます。輪切りを薄くすると、皮も気にならずに美味しくいただけます。りんごのタネには毒があるので、食べないように注意しましょう。

りんごのすりおろし

りんごのすりおろしは、栄養価も高く、消化にもよいので、風邪をひいたときの栄養補給や、離乳食に適しています。りんごに含まれているポリフェノールは金属イオンと反応しやすいので、陶器やプラスチックの器具でおろしましょう。

焼きりんご

皮に含まれているリンゴポリフェノールや、ペクチンを上手に摂取するには、焼きりんごにすると美味しくいただけます。好みで、アイスクリームをそえても、美味しくいただけます。

  1. 芯をくりぬく
  2. くりぬいた部分に、好みでバター、砂糖、シナモンなどをいれる
  3. オーブンで焼く
りんごの木

りんごの栄養と保存方法、食べ方をご紹介してきました。リンゴポリフェノール、有機酸、ビタミンC、食物繊維と栄養分がたっぷり含まれているりんご。新鮮なりんごが手に入りやすい秋や冬には、毎日の食事に取り入れていきたいですね。

3つのりんご
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