トロピカルフルーツの代表であるパイナップルは、甘酸っぱく、瑞々しい味わいで子供から大人まで幅広い世代で人気の果物です。そのまま食べることの多いパイナップルですが、酢豚などの肉料理にも使われることもありますよね。その理由は美味しいから、だけではなかったのです。今回は、そんなパイナップルをご紹介します。
パイナップルの特徴
日本で売られているパイナップルのほとんどがフィリピン産。沖縄でも栽培されていますが、流通量は約1%と極わずかです。このようにパイナップルは南国から輸入されることがほとんどの為、明確な旬はありません。
そんなパイナップルの名前の由来は、見た目が松の実に似ていて、りんごのように甘いことから、「パイン=松の実」と「アップル=りんご」を合わせたと言われています。ヨーロッパ等ではアナナスと呼ばれていますが、これは見た目が亀に似ていることから、ポルトガル語で亀を意味する「ナナス」からきているそうです。
亀の甲羅のような不思議な形をしたパイナップルですが、実はそのうろこ状のもの1つ1つが実なのです。パイナップルは、たくさんの実が集まって果実を形成している「集合果」と呼ばれる果物です。
学名 | Ananas comosus |
分類 | アナナス科アナナス属 |
原産地 | ブラジル |
仏名 | ananas |
別名 | パインアップル |
パイナップルの栄養素
パイナップルには、たんぱく質分解酵素であるブロメラインが含まれています。肉を柔らかくする効果がある為、肉と一緒に調理することで軟らかく仕上げることができます。
エネルギー | 51kcal |
水分 | 85.5g |
タンパク質 | 0.6g |
炭水化物 | 13.4g |
カリウム | 150mg |
マグネシウム | 0.76mg |
鉄 | 0.2mg |
銅 | 0.11mg |
マンガン | 0.76mg |
ビタミンB1 | 0.08mg |
ビタミンB2 | 0.02mg |
ビタミンB6 | 0.08mg |
パントテン酸 | 0.28mg |
ビタミンC | 27mg |
食物繊維総量 | 1.5g |
※可食部100gあたり
パイナップルに期待される健康効果
消化促進
たんぱく質分解酵素のブロメラインには、胃液の分泌を活発にし、消化を促進するはたらきがあります。さらに胃腸の炎症を鎮め、腸内の有害物質を分解する作用などもあると言われています。
疲労回復
ビタミンB1には新陳代謝を促進し、疲労を回復させる効果があります。またパイナップルの酸味成分であるクエン酸は、疲労回復を促進する効果のある栄養素です。
美肌効果
パイナップルには、パイナップルセラミドと呼ばれる特有の成分が含まれています。パイナップルセラミドには、肌の潤いを保つ効果のほか、メラニンの生成を防ぎ、シミ・そばかすを予防する効果も持っています。
パイナップルの選び方
パイナップルは追熟しない果物なので、収穫してから時間が経っても甘くなることはありません。つまり、いかに食べ頃のパイナップルを選ぶかが重要になります。
美味しいパイナップルを選ぶポイント、まずは見た目です。葉が濃い緑で、葉先がピンと伸びて枯れていないもの、実は下膨れの形になっていて、色は黄みを帯びているものを選ぶと良いです。
次に重さです。手に持った時にずっしりと重みのあるものを選びましょう。また、手に持った際にパイナップルのお尻の部分にも注目して下さい。お尻の部分を軽く押してみて、軟らか過ぎるものは傷んでいる可能性が高いので、避けるようにしましょう。
パイナップルの保存方法
パイナップルの賞味期限は、丸ごとのもので4~5日、カットしたもので2~3日です。購入後はなるべく早め食べた方が良いですが、丸ごとのパイナップルを食べ切るには時間がかかるかと思います。上手に保存して美味しく食べられる期間を延ばしましょう。
丸ごと保存するなら新聞紙を活用
まず丸ごと保存する場合は、新聞紙で包み、冷蔵庫の野菜室に入れるようにしましょう。この際、葉を下にしておくことをおすすめします。こうすることで、パイナップルの下に溜まった甘味が全体に行き渡りやすくなります。
カットしたものはラップをして冷蔵庫へ
カットしたパイナップルは、乾燥しないようにしてラップをして冷蔵庫で保存します。砂糖をかけておくことで1週間程度もたせることも可能ですが、パイナップル本来の味わいが損なわれてしまうだけでなく、糖分の摂り過ぎにもなってしまうため注意が必要です。
パイナップルの食べ方
丸ごとのパイナップルのカットは難しそう、とか、どうやるの?などと思ったことがある方は多いのではないでしょうか。コツさえ掴めばとても簡単に、そして綺麗にカットすることができます。
パイナップルの切り方
基本的なカットの方法ですが、まず、上下の硬い部分を切り落とし、縦に8等分します。実を立てた状態で芯を切り落としたら、果肉と皮の間に包丁を入れ、皮を取り除きます。最後は、食べやすい大きさにカットするだけです。
芯の活用方法
捨ててしまいがちな芯ですが、実は色々な活用方法があります。例えば、紅茶に漬けることで簡単にフレーバーティーを楽しむことができますし、氷砂糖・お酢と一緒に漬けこむことでフルーツビネガーを作ることもできます。
パイナップルは、普段食卓に出てくる機会は少ないかもしれません。缶詰のパイナップルは手軽に食べることができますが、生に比べて栄養価はぐっと下がってしまいます。栄養をしっかり摂る為には、やはり生で食べるのが一番です。今は、カットされた状態で売られていることも多いので、そういった物を上手に活用してみましょう。