マッシュルームは、うまみ成分が豊富でシチューなどの煮込み料理に入れても、生でサラダなどに添えてもおいしい食材。ビタミンB2や食物繊維も含まれているので、ダイエットにも相性が良いキノコです。ここでは、マッシュルームの栄養や保存方法、食べ方などをご紹介します。
マッシュルームの特徴
マッシュルームは、ヨーロッパで昔から食用にされてきたハラタケ属で近縁種の「ハラタケ」のうち、丸いボタン型になる突然変異種を選んで栽培した人工栽培種です。
マッシュルームという名前は英語で、本来の意味は「キノコ」です。日本では、海外から伝わったこの栽培キノコをマッシュルームと呼ぶようになりました。アメリカから入ってきた時に呼ばれていたマッシュルームと言う名前をそのまま使ったとされています。
マッシュルームの原産地
マッシュルームの原産地はヨーロッパです。近縁種のハラタケは世界中にあるキノコですが、現在のような人工栽培種のマッシュルームが普及したのは、17世紀にフランスで食用として大量栽培を始めたのがきっかけです。その後、ヨーロッパ各国やアメリカに広がりました。
日本へは明治時代に伝わり、大正時代に栽培が本格化しました。しかし、当時のマッシュルームは缶詰や水煮に加工されたものがほとんどでした。
マッシュルームの旬と栽培地
マッシュルームは人工栽培種なので一年中流通していますが、育成に適した気温に近い4~6月と9~11月が美味しい旬の時期とされています。
国内でマッシュルームの収穫量が多いのは、千葉県と岡山県です。両県にはマッシュルーム作りに特化した大手企業があります。この2県で国内収穫量の7割以上を占めています。次いで山形県、和歌山県、茨城県と続きます。
マッシュルームの品種

マッシュルームには4つの色品種があります。代表的な「ホワイト種」(ホワイトマッシュルーム)のほか、「ブラウン種」「オフホワイト種」「クリーム種」があり、店頭で販売されているのは「ホワイト種」と「ブラウン種」で、たまに「オフホワイト種」が見られます。
学名 | Agaricus bisporus |
分類 | ハラタケ科・ハラタケ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
和名 | つくりたけ |
英名 | Common mushroom |
マッシュルームの栄養素と効能
食物繊維
マッシュルームは、100gあたり2.0gの食物繊維が含まれています。食物繊維には、余分なコレステロール値を下げる働きがあり、動脈硬化や高血圧の予防に期待できます。
マッシュルームに含まれる食物繊維は不溶性で、便のかさをまし、排便をスムーズにする働きもしてくれます。
ビタミンB2
ビタミンB2は、エネルギー代謝を助ける働きをしており、特に脂肪の代謝を助け、効率よくエネルギーに変えてくれます。
カリウム
カリウムは体内の余分な水分を排出してくれるミネラル。ナトリウムとバランスを取り合っているので、塩分が多めの食事の方は特に注目のミネラルです。
筋肉の働きをコントロールしたり、血圧を安定させる働きをしています。マッシュルームには100gあたり350mgのカリウムが含まれています。
グルタミン酸|うまみ成分豊富で味が良い
旨味成分であるグルタミン酸も多く含まれているので、おいしく健康的な食材といえます。
エネルギー | 11kcal |
水分 | 93.9g |
タンパク質 | 2.9g |
炭水化物 | 2.1g |
ナトリウム | 6mg |
カリウム | 350mg |
リン | 100mg |
鉄 | 0.3mg |
銅 | 0.32mg |
ビタミンB1 | 0.06mg |
ビタミンB2 | 0.29mg |
ナイアシン | 3.0mg |
ビタミンB6 | 0.11mg |
パントテン酸 | 1.54mg |
食物繊維総量 | 2.0g |
可食部100gあたり
マッシュルームの選び方
傘が開いておらず締まっていて、表面がなめらかで肉厚なものが良いです。軸が太くて短めなものを選びましょう。
傘の表面が割れていたり、傷が多いものは避けるようにしましょう。また、色が悪くなっていたり、パッケージ内で水分がにじんでいるものは鮮度が落ち始めている証拠です。
マッシュルームの保存方法
マッシュルームは傷みやすいので、早めに食べてください。冷蔵庫に入れて2~3日以内に食べきるようにしましょう。
冷蔵保存
変色しやすいので、キッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて保存しましょう。冷蔵保存する際は、マッシュルームを洗わないでください。
冷凍保存
長期保存したい場合は、生のままスライスして、ジッパー付きの保存袋に入れて冷凍しましょう。レモン汁をかけてから冷凍すると、変色を防止できます。1ヶ月ほど保存可能です。
マッシュルームの食べ方
炒め物、煮物、スープ、サラダなどに入れて食べる方法があります。生のマッシュルームには旨味成分があるので、スープ、カレー、シチューなどに加えるとコクのある仕上がりになります。
生食でサラダに添えても◎
また、新鮮なマッシュルームは生で食べられます。薄くスライスしてサラダにトッピングするのがおすすめです。スライスした後、レモン汁をかけておくと切り口の変色を防ぐことができます。
アヒージョのレシピ
アヒージョは「にんにくの香り付けをした」という意味のスペイン語。香りが立っておいしい熱々のうちにいただきましょう。オイルにバケットをつけてたべるのもいいですね。

- マッシュルームの石づきを切り落とし、半分に切る
- ニンニクを包丁の腹でつぶす
- 鷹の爪の種を除く
- 鍋にオリーブ油、にんにく、唐辛子を入れて弱火にかける
- にんにくの香りが出てきたら、マッシュルームを入れる
- マッシュルームが軽く色づくまで弱火で約15分加熱する
- 塩を加え、火を止める
- 刻んだイタリアンパセリをのせて完成
マッシュルームの下ごしらえ
マッシュルームは洗うと風味が損なわれますので、水洗いではなくフキンなどで汚れを拭き取るようにしましょう。ただ、生で食べる場合は、さっと洗ってからスライスした方が良いでしょう。
マッシュルームについてご紹介しました。アヒージョなどに入れてもおいしく、何かと食べやすい食材などで、ぜひ日々の食卓に取り入れてみてくださいね。