さといもの豊富な栄養と食べ頃・保存方法

さといも

ぬめぬめした口当たりが特徴のさといも。カリウムや食物繊維が豊富な食材です。ここでは、さといもの特徴や栄養素、働きなどをご紹介しましょう。

さといもの特徴

さといもは、秋から冬になると煮物や豚汁、けんちん汁などの汁物でよく食べられるいも類の一つです。

芋には、じゃがいもやさつまいも、山芋などたくさんの種類がありますが、粘り気があるのは「さといも」と「山芋」の2種類。山で採れるものを「山芋」、里で採れるものを「さといも」と呼ぶようになったようです。

さといも類にはほかに、たけのこいも、八頭(頭いも)、えびいもなど約200種類が属します。

いもの付き方

さといもは中心に大きな親芋があり、その周りに子いもがつき、さらにその周りに孫いもがつきます。

学名Colocasia esculenta
分類サトイモ科サトイモ属
原産地マレー半島
別名タロイモ

さといもの栄養素

さといもに含まれる栄養は、ほとんどが炭水化物の糖質です。同じくイモ類に属するさつまいもと違い、食物繊維はほとんど入っていません。

ここでは、さといも100gあたりに含まれる栄養素をご紹介しましょう。

エネルギー58kcal
水分84.1g
タンパク質1.5g
炭水化物13.1g
灰分1.2g
カリウム640mg
リン55mg
0.5mg
亜鉛0.3mg
0.15mg
マンガン0.19mg
ビタミンB10.07mg
ビタミンB20.02mg
ビタミンC6mg
食物繊維総量2.3g

可食部100gあたり

さといもは中くらいのもので1個当たり50~60gです。煮物や汁物ではご自身が食べたさといもの数から摂取した栄養を計算することもできます。

さといもに期待される健康効果

さといもの親いも

さといもはエネルギーになる糖質、ナトリウムとバランスを保つカリウム、赤血球を作る時に必要な葉酸を多く含む野菜です。

ネバネバ成分ガラクタンが高血圧を予防

さといものネバネバは「ガラクタン」と呼ばれる成分によるものです。ガラクタンは炭水化物とたんぱく質の合成物で血中脂質を下げる働きがあります。これにより「高血圧予防」「免疫力の向上」「脳細胞の活性化」「がん細胞の抑制」「動脈硬化予防」などの効果が期待できます。

ガラクタンは、炭水化物とたんぱく質の合成物ですが、人間の消化酵素では分解されないため、そのまま体外に排出されます。またガラクタンは、さといものほかに、山芋にも含まれています。

カリウムが豊富で高血圧予防に

血圧が高めの方は、コレステロールよりもナトリウムの量を気を付けたほうが良い、ということが言われるようになりました。野菜やいも類に含まれるカリウムは、ナトリウムと対の関係になり、人間の細胞の内側と外側で、PHの調整をしています。

さといもはカリウムが豊富なので、豚汁やけんちん汁、煮物の具に使うと味噌や醤油のナトリウムとバランスを摂り、高血圧の予防としても役立ちます。

ガラクタンが脳細胞を活性化

さといものネバネバ成分のガラクタンは、糖質のガラクトースが多数つながりたんぱく質と合成された炭水化物の1つです。

ガラクタンには血中脂質を下げる働きや、高血圧・脳梗塞などの病気を予防する効果のほか、脳細胞の活性化をする効果があると言われています。

ガラクトースは摂りすぎると白内障など引き起こすことがありますが、普通の食生活で摂りすぎるほど食べるということはありません。

さといもの選び方

さといもは、乾燥が苦手です。店頭で泥付きのさといもが並んでいるのは、乾燥から守るためなのですね。

さといもを選ぶときには、できるだけ湿った泥が付いているものを選びましょう。泥の色がきれいで、きれいな縦じまが入ったものが新鮮でおいしくいただけます。

ビニール袋に入っているものは、中でカビが発生している場合もあるので、切り口が黒ずんでいないか、よく確認すると良いでしょう。

あらかじめ皮がむいてあるものも売っていますが、手間が省ける一方で、固い場合も。火が通りにくいこともあるので理解した上で購入しましょう。

さといもの保存方法

さといもは、乾燥を防ぐために湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで1つ1つ包んでおきましょう。寒さに弱いので、冷蔵庫に入れずに常温保存がおすすめです。

長期に保存をする場合は、皮をむき食べやすい大きさにカットしたものを、密封したジッパー付きの袋に入れて冷凍保存をします。使う時は、そのまま煮物や汁物に入れることができます。常温よりも長く保存できます。

さといもの食べ方

小いもの衣かつぎ

さといも本来の味を楽しめる料理。衣を脱がすように皮を剥いて食べることからこの名前が付きました。

衣かつぎ

さといもの栄養や保存方法、選び方をご紹介してきました。さといもは皮を剥くのが面倒に感じてしまうかもしれませんが、栄養豊富な野菜です。煮物や汁物に入れておいしくいただきましょう。

さといも
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