ほうれん草は鉄や葉酸、β-カロテンなど豊富な栄養が魅力の緑黄色野菜です。旬の冬場には美味しいほうれん草が手頃な価格ででわまるようになるので、日々の食事に取り入れてしっかり栄養を摂りたいですね。ここでは、ほうれん草の栄養と保存方法、選び方をご紹介します。
ほうれん草の特徴
ほうれん草は、ヒユ科アカザ亜科ホウレンソウ属に属する野菜です。雌雄異体となる特徴があり、雄と雌の花が完全に分かれた株からなります。涼しい地域や、涼しい気候の時に盛んに育成される野菜で寒さに当てることで甘さも増すのが特徴です。葉も寒さに当たることで柔らかくなります。
初めて栽培されたのはアジア、現在のイラン辺り(当時ペルシア地方)とされいて、野生種は見つかっていません。東アジアにシルクロードを通り伝わり、7世紀頃に中国に伝わりました。日本に伝わったのは江戸時代の頃です。
学名 | Spinacia oleracea |
分類 | アガサ科ホウレンソウ属 |
原産地 | 西アジア |
和名 | 唐菜、赤根菜 |
仏名 | epinard |
独名 | Apinat |
ほうれん草の種類
日本で栽培されるほうれん草は大きく2品種。スーパーでよく見かける西洋種と、近年再注目されている東洋種です。東洋種は寒さに弱く、虫が付きやすいため西洋種が広がりました。それぞれ見た目に特徴があり、西洋種のほうれん草は、葉が丸く厚みがあるのが特徴。一方の東洋種のほうれん草は、葉が薄く切り込みがあり、根元が赤いのが特徴です。
ほうれん草の旬
ほうれん草の旬は冬です。寒さに当てることで味が良くなり、5℃を下回ると伸長を停めます。この低温のストレスをかけることで栄養素が増し、また成長を停めることで味が良くなるのです。ビニールハウスで栽培する時にも寒さに当てる工程を行っており、この工程を「寒締め」と呼びます。
ほうれん草の栄養素
ほうれん草はレバーに匹敵する鉄分、多種多様なミネラル類と栄養が豊富な野菜です。
エネルギー | 20kcal |
水分 | 92.4g |
ナトリウム | 16mg |
カリウム | 690mg |
カルシウム | 49mg |
マグネシウム | 69mg |
鉄 | 2.0mg |
亜鉛 | 0.7mg |
ビタミンA β-カロテン | 4200μg |
ビタミンK | 270μg |
ビタミンB2 | 2.20mg |
葉酸 | 210μg |
ビタミンC | 35mg |
食物繊維総量 | 2.8g |
※可食部100gあたり
ほうれん草に期待される健康効果
ヨーロッパでは「胃腸のほうき」ともよばれ、便秘解消に役立つとされるほうれん草。その他にも様々な健康効果が期待できます。
葉酸・ビタミンC・鉄が貧血予防に効果的
ほうれん草には、血液中の赤血球を作るために必要な鉄が、牛レバーと同等量含まれています。鉄の吸収率を高めるビタミンC、ビタミンB12と協力し血液を作る葉酸も豊富で貧血予防にぴったりな野菜と言えるのです。
カロテンががん予防・美容効果も
ほうれん草はβカロテンを豊富に含んでいます。このβカロテンには強い抗酸化作用があり、様々な病気の予防や美容に役立つとされています。老化防止、ガンの予防にも効果的です。
ほうれん草の選び方
ほうれん草を買うときには、葉が鮮やかな緑色のものを選びましょう。そして葉はシャキッとしていて、厚みがあるものが理想です。根元はふっくらとしているものを選ぶと甘味が強く、美味しいほうれん草の証となります。
ほうれん草の保存方法
冷蔵保存
ほうれん草は乾燥に弱い野菜です。湿らせた新聞紙などに包み、スーパーの袋などに入れた上で冷蔵保存しましょう。根の部分を下にした、立てた状態で野菜室に入れておくと長持ちします。
冷凍保存
冷凍保存する場合は、切らずに1度茹でてから冷水に入れます。その後は水気をしっかりと切り、使う分ごとに切ってから小分けに冷凍しましょう。
ほうれん草の食べ方
おひたし、ソテー、パスタなどに入れても美味しいほうれん草は、和洋どちらの料理にも合います。ほうれん草を調理するときは、上手にアク抜きをするのがポイントです。
ほうれん草の下茹で
ほうれん草のアクに含まれているのはシュウ酸という物質。シュウ酸は水溶性なので、茹でたほうれん草を水にさらすことで抜けます。根本に少し硬さが残るくらいで湯から上げるようにしましょう。
また根元には豊富なミネラルがふくまれています。根っこに切り込みを入れて、茹でることで、柔らかくなり、付いている土も落とせるので根元まで食べられますよ。
ベーコンとの相性は?
ほうれん草とベーコンの食べ合わせが悪いと言われる理由は2つ。ほうれん草に含まれる硝酸がベーコンのタンパク質と反応して発がん性物質が生成されてしまうため。また、栄養の吸収効率が落ちるためと言われています。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
ほうれん草の栄養や保存方法などをご紹介してきました。栄養価の高いは貧血予防やがん予防に効果的な注目の野菜です。ぜひ毎日の食卓に取り入れて見てくださいね。