梅の栄養素と効能|夏バテ対策に梅干しや飲みやすいシロップも

  • 2020年2月20日
  • 2020年2月1日
梅

梅干しや梅シロップ、梅にんにくなど用途が広い「梅」。生のままでは食べられないというのはご存知でしたか?用途によって相性のいい品種が違ったり、栄養素も異なったりする梅についてご紹介します。

梅の特徴

梅は果実でありながら熟しても甘くならず、強い酸味が特徴です。また、未熟な梅の果実や種には体に有害な成分アミグダリンがふくまれているため生のまま食べることはできません。加熱、アルコールや塩漬けにすることで食べられるようになります。

梅の実が出回る期間はとても短く、5月から6月いっぱいまでの約2か月間となります。梅雨(つゆ)という言葉の由来は梅の熟す時期の雨という意味もあります。

梅の原産国は中国で奈良時代に日本に渡ってきたとされています。鎌倉時代には梅干しとして食用に用いられていました。

学名Prunus mume
分類バラ科サクラ属
原産地中国
仏名mume
独名japanische Aprikose

梅の品種

梅は品種によって大きさや向いている用途が変わってきます。

南高梅

梅の品種で最も聞いたことがあるのは「南高梅」ではないでしょうか。「南高梅」は日本を代表する梅の産地和歌山県の代表的な品種で粒が大きく、皮が薄く、果肉が肉厚で柔らかいのが特徴です。梅酒や梅干し、甘露煮など様々な用途に適している万能な梅になります。

白加賀梅

「白加賀梅」は生産量の多い梅で、主に関東を中心に栽培されています。大きさは南高梅よりやや小さく、果肉は繊維が少なく肉厚なため梅干しに適しています。

小梅

「竜峡小梅」、「甲州小梅」などの小梅は名前の通り小粒の梅でカリカリ梅干しなどにされる品種です。「竜峡小梅」は長野県、「甲州小梅」は山梨県で多く栽培されています。

梅・梅干し・梅シロップの栄養素と効能

酸っぱさが特徴の梅は、クエン酸などの有機酸が疲労物質「乳酸」を代謝分解してくれるため、疲労回復に効果が期待できます。また、殺菌効果もあるので、腐食防止や食中毒の予防にも役立ちます。

エネルギー28kcal
水分90.4g
タンパク質0.7g
脂質0.5g
炭水化物7.9g
カリウム240mg
0.6mg
0.05mg
マンガン0.07mg
ビタミンA β-カロテン当量240μg
ビタミンB10.03mg
ビタミンB20.05mg
ビタミンB60.06mg
食物繊維総量2.5g

※可食部100gあたり

梅の選び方

たくさんの梅

梅は熟し方によって用途が異なってきます。まだ熟しきっていない固く鮮やかな緑色の青梅は梅酒や梅シロップに適しています。

黄色みを帯びて熟してきた梅は甘酸っぱいような芳醇な香りを放ち、梅干しに適しています。梅の実を選ぶ際には、ふっくらとして丸みがあるものを選びましょう。

また、表面の皮に虫食いや黒い斑点があるとそこから苦みが出たり、エキスが濁ってしまうため注意が必要です。

梅の保存方法

梅の実は収穫後も追熟が進むため、購入後はなるべく早く加工するようにしてください。また、冷蔵庫に入れてしまうと低温障害を起こし、変色してしまうため、新聞紙などに包み涼しいところで保管してください。

どうしても、すぐに加工できない場合は水につけてアク抜きをし、ヘタを取り除いてから密閉袋に入れて冷凍します。使う際は自然解凍か水を張ったボウルにつけ、そのままレンジで解凍します。

梅の食べ方 

梅にはアクがあるため、洗ったあとしばらく水につけてアク抜きを行います。未熟な梅ほどアクは多く、熟すにつれて少なくなっていくため、未熟な小梅は1時間ほど、青梅は2~4時間ほど、黄色みを帯び始めた梅は1時間ほどアク抜きを行います。

完熟梅の場合は長時間水に浸すとかえって傷みやすくなる場合があるためアク抜きの必要はありません。水からあげたあとはタオルなどで水分をよく取り除き、ヘタの部分を竹串などで取り除きます。ヘタがあると苦みやエグミが出てしまいます。

アク抜きとヘタを取った後、梅干しや梅酒、梅シロップ、甘露煮など様々な加工品に加工されていきます。

梅についてご紹介しました。苦手な人も多い印象がありますが、栄養豊富で保存にも便利な食材。ぜひ日々の食卓に取り入れてみてくださいね。

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