ねぎは薬効成分がある野菜として知られ、殺菌効果のある薬味としてや肉や魚のニオイ消しとしても使われてきました。香りの成分硫化アリルやビタミンC、セレンという活性酸素を抑える効果がある成分を持つ野菜です。ねぎの栄養素や効能、保存方法などについてご紹介します。
ねぎの栄養素
「風邪の時は首にねぎを巻くと良い」という風邪対策の方法を聞いたことがある方は多いと思います。実際にねぎには身体に良い栄養素が豊富に含まれており、風邪症状緩和だけでなくさまざまな健康効果をもたらしてくれます。
風邪予防
ねぎの白い部分に多く含まれるアリシンには、血管を広げることで血行を良くし身体を温めるはたらきがあります。また、疲労回復効果のあるビタミンB1の吸収を促進するはたらきもあります。他にも免疫力アップに効果のあるビタミンCやβカロテンも含まれている為、風邪の予防に高い効果を発揮します。
生活習慣病予防
アリシンには血管を広げて血行を良くするはたらきの他に、血栓の生成を抑制するはたらきもあり、血液をサラサラにする効果が高いです。それにより、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立ちます。
がん予防
ねぎの緑の部分に多く含まれるセレンには抗酸化作用があり、がんの発生原因となる活性酸素や過酸化脂質を除去するはたらきがあります。
ねぎの栄養成分表
エネルギー | 28kcal |
水分 | 91.7g |
炭水化物 | 7.2g |
カリウム | 180mg |
カルシウム | 31mg |
リン | 26mg |
鉄 | 0.2mg |
亜鉛 | 0.3mg |
マンガン | 0.10g |
ビタミンB1 | 0.04mg |
ビタミンB2 | 0.04mg |
ビタミンB6 | 0.11mg |
葉酸 | 56μg |
ビタミンC | 11mg |
食物繊維総量 | 2.2g |
※根深ねぎ 可食部 100gあたり
ねぎの種類
ねぎは大きく2つの種類に分けられます。1つ目は根元の白い部分を食べる「根深ねぎ」、2つ目は緑の部分を食べる「葉ねぎ」です。
どちらも通年出回っていますが、それぞれ旬が異なります。
根深ねぎ(白ねぎ・長ねぎ)
根深ねぎは、一般的に「白ねぎ」や「長ねぎ」としてスーパーなどで広く売られています。生で食べると辛みを感じることが多いですが、火を通すことで甘くなります。
根深ねぎの旬は冬。低温下で育ったねぎは甘味が増し、美味しくなります。
白ねぎの主な栄養
- ビタミンC
- β−カロテン
- カルシウム
- 硫化アリル
葉ねぎ(万能ねぎ・あさつき・わけぎ)
葉ねぎに分類される物には、「万能ねぎ」「あさつき」「わけぎ」などがあります。葉が柔らかく、ねぎ特有の香りが強い為、薬味として使われることが多いです。
葉ねぎは暖かくなる春先が旬になります。
青ネギの主な栄養
- ビタミンC
- β−カロテン
- カルシウム
- セレン
ビタミンCやカロテンは白ねぎ、青ねぎのどちらにも共通していますが、含有量を比べると青ねぎのほうが豊富です。
ねぎの保存方法
ねぎはきちんと保管すれば、ある程度保存のきく野菜です。
根深ねぎ(白ねぎ)の保存方法
切っていない根深ねぎは新聞紙に包んで冷暗所に立てて常温保存、使いかけの物は緑の部分と白い部分に分けてから、ラップで包むかビニール袋に入れて冷蔵庫で保存して下さい。
葉ねぎ(青ねぎ)の保存方法
葉ねぎは湿らせた新聞紙で包んで冷蔵庫で保存しましょう。
カットして保存も可能
みじん切りや小口切りなどあらかじめ下処理をした状態でタッパーなどに入れて保存しておくと、使いたい時にすぐに使えて便利です。冷蔵で1週間程度、冷凍で1ヶ月程度保存可能です。
ねぎの選び方
根深ねぎの選び方
根深ねぎは、白い部分と緑の部分の境目がはっきりしており、重みのあるものを選ぶようにしましょう。また、白い部分が固く締まっており、程よい弾力があるのが甘くて美味しい証拠です。
葉ねぎの選び方
葉ねぎは、緑色が濃く、葉先までピンとハリがあるものを選ぶと良いです。
ねぎの食べ方
ねぎに含まれる栄養は調理法によって増えることも、減ることもあります。せっかくなら栄養を余すことなく摂り入れたい!そのためのポイントをしっかり押さえておきましょう。
細かく刻む
硫化アリルは空気に触れることでアリシンを生成します。小口切りやみじん切りなどの切り口の多い切り方にすると、空気に触れる部分が増え、アリシンがより多く生成されます。
切った後しばらく放置する
切ってからしばらく置いておくことで、アリシンの生成が進みます。ただし長時間放置しすぎると逆に成分が飛んでしまうので、10~15分程度を目安に食べるようにしましょう。
長時間水にさらさない
辛みを取るために水にさらすことが多いですが、ビタミンCなど水溶性の栄養素は水に溶け出してしまうため、水にさらす時はできるだけ短時間にしましょう。
熱を加えすぎない
長時間熱を加えることでアリシンが抜け出してしまいます。炒め物や汁物に使う際は、なるべく最後に入れるようにしましょう。
ここまでねぎについてまとめてきました。ねぎの持つ栄養やパワーについてお分かり頂けましたか?料理のメインとなることは少ないねぎですが、さまざまな料理に応用できる万能野菜です。日々の食事に積極的に摂り入れ、ねぎの栄養効果を存分に活用しましょう。
学名 | Allium fistulosum |
分類 | ユリ科ネギ属 |
原産地 | 中国西部、シベリア |
おいしい時期 | 11月〜2月 |
主な産地 | 春ねぎ:千葉、茨城 夏ねぎ:茨城 秋冬ねぎ:埼玉、千葉、群馬、茨城 |
仏名 | ciboule |
独名 | Lauch |