ぶどうの栄養と種類、保存方法|枝を少し残して冷蔵庫へ

夏から秋にかけて収穫されるぶどうは、さわやかな香りと瑞々しさがたまらない秋の味覚の1つです。甘くて美味しいぶどうですが、昔は薬用として栽培されていたくらい栄養満点の果物なのです。今回は、そんなぶどうをご紹介します。

ぶどうの特徴

ぶどうは世界中で最も多く栽培されている果物で、生産量の約80%がワインの原料として消費されています。約10000もの品種があるぶどうですが、大きく黒・赤・白の3つに分けられます。

日本で最もメジャーな巨峰やピオーネなどは黒、クイーンやデラウエアなどは赤、マスカットなどの黄緑色をしたものは白に分類されます。品種によって含まれる栄養も少しずつ異なります。

そんなぶどうを美味しく食べることができる旬はいつかと言うと、品種などにより多少のズレはありますが、一般的には8月~10月にかけてになります。

学名Vitis spp.
分類ブドウ科ブドウ属
原産地コーカサス地方
仏名vigne
独名Traube

ぶどうの保存方法

ぶどうは高温や乾燥に弱い果物なので、冷蔵保存が基本ですが、購入してきたぶどうをそのまま冷蔵庫に入れると3~5日程しか持ちません。より長持ちさせたい場合は、ぶどう1粒ずつを2~3㎜ずつ枝を残して切り取り、枝が他の粒にあたらないようにタッパーやジッパー付きの袋に入れて保存しましょう。

この時のポイントは、枝を少し残すこと。こうすることで果汁が外に漏れ出すのを防ぐことができます。また、洗わずに保存する事も重要です。洗うことでブルームが落ち、鮮度が落ちやすくなってしまいます。

ぶどうの栄養素

ぶどうとワイン

森のバターはアボカド、畑の肉は大豆、海のミルクは牡蠣。そして、ぶどうは「畑のミルク」と呼ばれています。実はぶどうは牛乳のように栄養価が高い果物なのです。その栄養の多くは、皮と果実の間に含まれています。

エネルギー59kcal
水分83.5g
タンパク質0.4g
脂質0.1g
炭水化物15.7g
カリウム130mg
カルシウム6mg
マグネシウム6mg
リン15mg
0.1mg
ビタミンB10.04mg
ビタミンB20.01mg
ビタミンB60.04mg
ビタミンC2mg
食物繊維総量0.5g

可食部100gあたり

ぶどうに期待される健康効果

ブドウ糖・果糖が疲労回復を促す

ぶどうに含まれているブドウ糖や果糖は、体内に吸収されやすい糖類です。体内で素早くエネルギー変換されるため、疲労回復には効果抜群です。また、ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源です。脳のはたらきを活性化し、集中力アップの効果も期待できます。

ポリフェノールが老化防止

ポリフェノールの一種であるレスベラトロールは、細胞の老化を遅らせ、若さを保つはたらきのある「サーチュイン遺伝子」を活性化します。このレスベラトロールは、赤・黒系ぶどうの皮に多く含まれています。

ぶどうの酸味は腸の調子を整える

酒石酸は、酸味のある果物、特にぶどうに多く含まれている有機化合物です。腸内で悪玉菌の増殖を抑制し、善玉菌を増やすはたらきがあります。腸内を健康に保ち、便秘や大腸がんなど様々な病気を予防します。

抗酸化作用を持つポリフェノールが豊富

ぶどうには、アントシアニンやレスベラトロール、タンニンなど高い抗酸化作用を持つポリフェノールが豊富に含まれています。体内の活性酸素を除去し細胞の老化を抑制することで、がんの予防に効果を発揮します。

ぶどうの選び方

手のひらいっぱいのぶどう

黒系、赤系のぶどうは皮の色が濃いもの、白系のぶどうは黄色がかったものが甘く美味しい証拠です。そして、粒に張りがあり、大きさが揃っているものがおすすめです。

粒の表面に白い粉のようなものがついている場合がありますが、これはブルームと呼ばれる果実自身が作り出している物質です。ブルームは実から水分が蒸発するのを防き、鮮度を保つはたらきがあります。このブルームが全体にきれいについているものほど美味しいぶどうになります。

ちなみに、大房のものよりも小房のものの方が、1粒1粒に栄養が行きわたり甘味が強いものが多いそうです。

ぶどうの食べ方

ぶどうは房の下の方よりも上の方が甘いので、下から上へ食べていくと最後まで美味しく食べることができます。また、皮と実の間の部分が一番甘いので、皮をむいてから食べるのではなく、一粒丸ごと頬張り口の中で皮から実を押し出すとより甘さを感じられます。

ぶどうの皮にも多くの栄養素が含まれているため、出来れば皮ごと食べたいところですが、皮ごと食べられる品種ではない場合、硬さや渋みが気になるかと思います。そんな時は、皮ごとミキサーにかけてジュースにすることでぶどうの栄養を余すことなく摂取することができます。

マスカット畑

ぶどうにはたくさんの栄養や健康効果があります。ぶどうは品種が多く、甘味が強いもの、酸味が強いもの、香り豊かなものなど種類によって様々です。旬の時期には色々な種類のぶどうが店頭に並ぶので、是非ともお気に入りの1つを見つけてみて下さい。ぶどうを上手に摂取し、若々しく健康な身体を手に入れましょう。

マスカット
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