えのきたけはスーパーなどで手に入りやすく、様々な料理に使いやすいきのこ。ギャバやビタミンB1が豊富で夕食に摂ると、一日の疲れを摂る効果も。そんなえのきたけの栄養素や効能、選び方などについてご紹介します。
えのきたけの特徴
えのきたけ(榎茸/別名:エノキダケ、ナメタケ、ユキノシタ、ナメススキ)はキシメジ科エノキタケ属で、流通しているものの殆どが工場栽培された白く細いものです。
しかし天然のえのきたけは、エノキの切り株やコナラやクヌギなど様々な広葉樹に寄生するキノコで、茶褐色でかさが大きく柄も短めと姿が全く違います。
えのきたけの旬
殆どが栽培されているものなので、旬は特になく年間を通して出回っていますが、流通量が増えるのは10月~2月で、天然物の旬は11~3月とされています。
えのきたけの品種
よく見かける全体が乳白色の細長い物と、かさが茶色のものがあります。
後者は栽培用の白い品種に野生種を掛け合わせて作られたもので、「ブラウンえのき」や「味えのき」と名付けられて販売されています。
えのきたけの原産地
えのき茸は広い地域に分布しており、 原産地として特定できる場所はないとされています。日本にも自生していて古くから食されていましたが、江戸時代までは天然のものを食していたようです。
その後明治時代に原木による栽培が行われ、現在のような瓶で育てる人工栽培は昭和初期に長野県松代町で始まったとされています。工場で大規模に生産され一般に広まったのは1960年代になってからです。
学名 | Flammulina velutipes |
分類 | キシメジ科 |
別名 | アマンダレ、ユキノシタ、カンタケ |
おいしい時期 | 11月〜3月 |
えのきたけの栄養と効能
色白で細長いことから一見栄養の少ない食材と思われがちですが、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1、脂質・糖質・タンパク質のエネルギー変換に必要なビタミンB2を多く含みます。
さらにはカロリーが22kcal/100gと非常に低く、便秘予防にも美肌にも効果がある食物繊維を豊富に含むのでダイエットにも適しています。
ビタミンB1、B2
ビタミンB1、B2はどちらも水溶性ビタミンに分類されるので、茹でる時は茹で汁まで食べる調理法にするとより有効に摂取できます。
ビタミンD
また日光に当たるとビタミンDに変わるエルゴステリンも豊富に含みます。ビタミンDはカルシウムの吸収を高めて骨や歯を強くし、骨粗しょう症の予防に役立つ上に、イライラの解消にも効果的です。
ギャバ
ギャバは発芽玄米などにも含まれる、神経の興奮を鎮め、肝臓や腎臓の働きを活発にする効果のある成分。血圧や神経の安定に効果的です。
レンチナン
その他にも免疫力を活性化し、がんの抑制やアレルギー症状の緩和に有効とされるβ-グルカンの一種、レンチナンを多く含みます。
食品成分表
エネルギー | 22kcal |
水分 | 88.6g |
タンパク質 | 2.7g |
灰分 | 7.6g |
カリウム | 0.9g |
マグネシウム | 15mg |
リン | 110mg |
鉄 | 1.1mg |
亜鉛 | 0.6mg |
銅 | 0.10mg |
ビタミンB1 | 0.24mg |
ビタミンB2 | 0.17mg |
ビタミンB6 | 0.12mg |
食物繊維総量 | 3.9g |
※可食部100gあたり
えのきたけの選び方
栽培ものなので大差はありませんが、全体的に白っぽくハリがあるもの、かさが小さめで開いていないものが良品です。べとつきや変色があるもの、しおれているものは鮮度が落ちています。
えのきたけの保存方法
保存は密閉して冷蔵庫にいれましょう。収穫後も成長が続き日持ちしないので、保存は2~3日が限度です。
真空パックのものは冷蔵庫で一週間程度もちます。全部使わないときは使用する分だけ根元から裂き、残りはラップで包んで冷蔵保存します。
また冷凍も可能で、根元を切り落としてから、小分けにして冷凍すれば調理時にそのまま使えます。
えのきたけの食べ方
水洗いの必要はありませんが、おがくずが気になるようであれば軽く流してもよいです。根元を2~3cmほど切り落とし手で裂いて使用します。
クセがないのでどんな食材とも相性が良く、サッと加熱するとシャキシャキとした歯ごたえが、じっくり煮るとトロリとした食感が楽しめます。炒め物や鍋物など、料理に応じて加熱時間を変えると良いでしょう。