ごぼうと言えば、独特の風味と歯ごたえが特徴。きんぴらや煮物など和食には欠かせない食材です。ごぼうは食物繊維が豊富、ということは多くの方がご存知かと思いますが、他にも健康に役立つ栄養素がたくさん含まれています。今回は、そんなごぼうをご紹介します。
ごぼうの特徴
日本ではおなじみのごぼうですが、実はごぼうを食用としているのは日本や韓国など、アジアのごく一部の国だけなのです。中国では食用ではなく、主に漢方薬として使われています。ごぼうの原産地はユーラシア大陸北部と言われており、日本に伝わった時期は定かではありませんが、初めは中国と同じように漢方薬として用いられていました。
一般的なごぼうの旬は11~2月。この時期のごぼうは香りが良く、シャキシャキとした歯ごたえを楽しめます。一方、新ごぼうの旬は4~6月。若い状態で収穫されるため、やわらかく、上品な香りが特徴です。
学名 | Arctium lappa |
分類 | キク科ゴボウ属 |
原産地 | ユーラシア大陸北部 |
仏名 | bardane |
独名 | Klette |
ごぼうの種類
滝野川ごぼう
長さ1m前後、直径2~3cmほどの長いごぼうです。現在日本で生産されているごぼうの品種ほとんどは、滝野川ごぼうを元に作られています。
堀川ごぼう
伝統的な京野菜で、中心が空洞になっているのが特徴です。収穫できるまでに2年以上かかり、希少価値が非常に高い食材のため、主に料亭などで使われています。
大浦ごぼう
千葉県匝瑳市大浦地区で栽培されている特産品です。直径が10cm程あり、筒を踏んで潰したような形をしています。
ごぼうの栄養素
ごぼうには野菜に多く含まれているビタミン類がほとんど含まれていません。その代わりに、食物繊維やポリフェノール類が豊富に含まれています。特に食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含んでいるのが特徴です
ごぼうに含まれる主な栄養素
エネルギー | 65kcal |
水分 | 81.7g |
タンパク質 | 1.8g |
炭水化物 | 15.4g |
灰分 | 0.9g |
カリウム | 320mg |
カルシウム | 46mg |
マグネシウム | 54mg |
リン | 62mg |
鉄 | 0.7mg |
亜鉛 | 0.8mg |
銅 | 0.21mg |
ビタミンB1 | 0.05mg |
ビタミンB6 | 0.10mg |
食物繊維総量 | 5.7g |
ごぼうに期待される健康効果
便秘解消
ごぼうの食物繊維は100g中5.7gと野菜の中でも群を抜いています。さらに、ごぼうには善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維(イヌリン)と、便のカサを増やす不溶性食物繊維(リグニン)の両方が含まれており、便秘解消に効果絶大です。
疲労回復
疲労の原因一つは、運動した際に血中に分泌されるアンモニアです。アルギニンには、アンモニアの増加を抑えるはたらきがあると言われています。アルギニンは体内で作り出すことができますが、足りない分は食事から補う必要があります。
老化防止
ごぼうはアクの強い野菜ですが、アクの正体はポリフェノール。老化やがんの原因となる活性酸素を除去するはたらきがあります。ごぼうの抗酸化能は野菜の中でもトップクラスです。皮にもポリフェノールが多く含まれているため、下ごしらえの際は皮を厚くむき過ぎないように注意しましょう。
ごぼうの選び方
新鮮さや風味を長持ちさせたいなら泥付きの物がおすすめです。弾力があり太さがある程度均一で、先端が緩やかに細くなっているものが良いごぼうです。また、ひげ根は少ないものがおすすめです。
洗ってある物は、表面のきめが細かくひび割れていないものを選びましょう。柔らかく、ぐにゃりと曲がるものは避けて下さい。泥付きの物、洗ってある物ともにですが、あまり太過ぎると「す」が入っている場合が多いのでこちらも避けるようにして下さい。
ごぼうの保存方法
泥付きの物と洗ってある物の2種類が売られていますが、保存性が高いのは泥付きの物です。泥付きの物は、そのまま新聞紙で包んで、風通しのよい冷暗所に立てて保存して下さい。洗ってある物や軟らかい新ごぼうは、買ってきたらポリ袋やラップなどで密封して冷蔵庫で保存するようにしましょう。
2~3日中に食べきれない場合は、ささがきや食べやすい大きさに切った後、軽く下茹でし、冷凍保存するのもおすすめです。生の物と比べて風味は落ちますが、炒め物や煮物にサッと使えて便利です。
ごぼうの食べ方
ごぼうの風味や栄養素は、皮の近くに多く含まれています。下ごしらえの際に皮を厚くむいてしまうと、せっかくの風味や栄養素を逃してしまいます。皮は、たわしや包丁の背でこそげ落とす程度にしましょう。
また、ごぼうはアクが強く、切り口が空気に触れると茶色く変色してしまうため、すぐに水にさらしてアク抜きするようにしましょう。白く仕上げたい場合は、酢水にさらします。水にさらす時間は5分程度で十分です。あまり長時間さらしていると、栄養素が流れ出てしまうだけでなく、風味も落ちてしまいます。
まとめ
ごぼうの栄養や効能、食べ方などをご紹介しましたが、ごぼうの魅力をお分かり頂けましたか?食の多様化により昔に比べて和食を食べる機会が減っていますが、これを機にごぼう使った和食を食べてみませんか?