アボカドの豊富な栄養と食べ方・保存方法

黒紫の皮に包まれた黄色の果実、アボカド。ねっとりとしてクリーミーな味わいのアボカドは、「森のバター」と呼ばれるほど油脂分が多いことで有名です。アボカドは甘くないので野菜のようですが果物で、最近はスーパーでもよく見る身近な食材となりました。アボカドの栄養分や食べ方、保存方法を知って、美味しくいただきましょう。

アボカドの特徴

アボカド


アボカドは、クスノキ科ワニナシ属の常緑木の果物で、ワニナシと呼ばれることもあります。メキシコと中央アメリカが原産地と言われています。国内でも和歌山県や沖縄県で栽培されていますが生産量は少なく、国内でみるアボカドの多くはメキシコなどから輸入されたものです。

輸入アボカドの主な品種はハスで、完熟すると皮が黒褐色になります。国産アボカドの主な品種はフェルテとベーコンで、完熟しても皮の色は緑色です。オイル含有量がピークになる旬の時期は、5~7月です。

学名Persea americana
分類クスノキ科ワニナシ属
原産地中南米
仏名avocat
別名ワニナシ、アバカテ
おいしい時期周年

アボカドの栄養素

アボカドは世界一栄養価の高い果物として、ギネスブックに認定されています。アボカドの果実の約20%は脂質ですが、主にオレイン酸などの不和脂肪酸です。ビタミンEやカリウムも豊富に含まれ、ビタミンB群も充実しています。

エネルギー187kcal
水分71.3g
タンパク質2.5g
脂質18.7g
炭水化物6.2g
カリウム720mg
リン55mg
0.7mg
ビタミンB10.10mg
ビタミンB20.21mg
ビタミンB60.32mg
葉酸84μg
パントテン酸1.65mg
ビタミンC15mg
食物繊維総量5.3g

※可食部100gあたり

アボカドに期待される健康効果

アボカドとレモン

オレイン酸がコレステロールをへらす

アボカドに含まれているオレイン酸は、不飽和脂肪酸です。酸化しにくい特徴をもち、血液中の悪玉コレステロールのみをへらす作用があることから、動脈硬化や脳梗塞の予防に有効とされています。

ビタミンEによる身体の酸化防止

アボカドに含まれているビタミンEの高い抗酸化作用は、老化の原因となる過酸化脂質の生成を抑制し、がん、動脈硬化、脳の老化を予防するといわれています。また、血行をよくするため冷え性や肩こりを改善効果も期待されます。

ビタミンB1、B2による代謝促進

アボカドに含まれているビタミンB1は、糖質の代謝に不可欠なビタミンです。代謝がうまくいかないと、乳酸などの疲労物質が体内にたまって疲れやすくなります。ビタミンB2は、多くの栄養素、特に脂質の代謝に重要です。タンパク質の合成にもかかわるので、皮膚を正常に保ち、口腔粘膜を保護します。

カリウムが高血圧を予防

アボカドに含まれているカリウムは、余分なナトリウムを排出する働きがあるため、高血圧の予防に効果的とされています。

植物油が血液をサラサラに

アボカドには、血中脂質のバランスを整える不飽和脂肪酸(オレイン酸)が豊富にふくまれています。オレイン酸は牛脂や豚脂にも含まれますが、牛脂や豚脂にはコレステロールや中性脂肪の原因となる飽和脂肪酸も含まれています。とりすぎは逆効果となるため、植物油からの不飽和脂肪酸の摂取が効果的です。

レモンと合わせて抗酸化力を持続

アボカドは切ると、切り口が酸化して黒っぽく変色しますが、レモン汁をかけると変色を防げます。レモン果汁に含まれるビタミンCには、ビタミンEの抗酸化作用を持続させる作用があり、アボカドとレモンは栄養面でも好ましい組み合わせです。

水溶性食物繊維による整腸作用

アボカドには豊富な食物繊維が含まれており、整腸作用が期待できます。

グルタチオンで老化防止と肝機能の向上

アボカドに含まれるグルタチオンには抗酸化作用があり、老化防止などに効果的です。また、肝臓で有害物質の解毒にも使われるため、肝機能の向上が期待できます。

アボカドの選び方

輸入アボカドの主な品種ハスをすぐに食べる場合は、皮が黒紫色で、やや柔らかい完熟したものを選びます。日を置く場合は、皮が緑色の未熟なものを求め、室温で追熟させます。国内産に多いフェルテやベーコンは、熟しても皮は緑色のままです。皮がやや萎れ、やわらかみを感じたときが食べごろです。

アボカドの保存方法

熟した果実は冷蔵庫の野菜室で保存し、なるべく早く食べきるようにします。アボカドは5℃以下で保存すると冷蔵障害がでるので、気をつけましょう。

アボカドの食べ方

カルフォルニアロール

切り方

アボカドは中に大きな種があります。ヘタから果実を縦に二つになるようにナイフで切り目を入れ、両側を持って互いに反対方向にひねって半分に分けます。

生食

カリフォルニアロールは、アボカドを使った巻き寿司で、カリフォルニアで考案され世界的に有名になりました。

  1. アボカドの果肉を短冊状に切る
  2. まきすの上に酢飯を広げる
  3. 酢飯の上に海苔をおく
  4. アボカドとエビもしくはカニカマをのせて巻く

好みで外側にトビコをまぶします。マヨネーズやワサビを一緒に巻いても良いです。アボカドはごはんとの相性が良いので、わさび醤油にひたしアボカド丼にするとマグロ丼の代わりになります。

アボカドは、ベーコンやサーモンと合わせてサンドイッチの具材としてパンにはさんでも美味しくいただけます。

天ぷらとして揚げる

たくさんのアボカド

アボカドを切った後に、完熟していないことがわかったときには、天ぷらにしましょう。固めの実も、ある程度やわらかくなりおいしくいただけます。

アボカドの栄養と保存方法、食べ方をご紹介してきました。美味しくて栄養分も豊富につまったアボカド。たくさん食べたくなりますが、高エネルギーのため一日半分ぐらいがのぞましといわれています。適量を心がけて、日々の食事に取り入れていきたいですね。

アボカドサラダ
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