しいたけの豊富な栄養と食べ頃・保存方法

かごに入ったしいたけ

秋になると、しいたけ狩りで楽しんだり、最近は家庭でできるしいたけ栽培キットなどもあり、子どもたちと楽しみながら、しいたけを育てることもできます。 生のまま食べるだけでなく、干ししいたけの戻し汁は、だし汁として利用することもできます。そんなしいたけの栄養分や食べ方、保存方法、特徴をご紹介しましょう。

しいたけの特徴

しいたけといえば、秋の味覚ですが、最近は一年中スーパーマーケットで購入することができます。鍋物や炒めものなど様々な使い方ができるしいたけは、きのこ類に分類されます。

しいたけの栄養素

しいたけは、生のものと乾燥したものがあります。乾燥させた干ししいたけは、水分が蒸発し、陽の光にあたって栄養素が凝縮されることで、生のしいたけよりも栄養価が高くなります。

それでは生しいたけ、干ししいたけそれぞれに含まれる栄養素をご紹介します。

生しいたけ(100g中)

エネルギー18kcal
水分91.0g
タンパク質3.0g
炭水化物4.9g
カリウム280mg
マグネシウム14mg
リン73mg
0.3mg
亜鉛0.4mg
マンガン0.23mg
ビタミンB10.10mg
ビタミンB20.19mg
ビタミンB60.11mg
ビタミンC10mg
食物繊維総量3.5g

可食部100gあたり

干ししいたけ(100g中)

干ししいたけ
たんぱく質19.3g
カリウム2100mg
カルシウム10g
0.3mg
亜鉛2.3mg
りん310mg
ビタミンB10.5mg
ビタミンB20.2mg
ビタミンD12.7mg
葉酸240㎍
食物繊維総量41g

可食部100gあたり

しいたけに期待される健康効果

しいたけの栄養的特徴といえば、旨味たっぷりで食物繊維やたんぱく質をはじめとする多種の栄養素を含むことです。その反面、炭水化物のほとんどが食物繊維で糖質が少なく、脂質もほとんどありません。

カロリーが低いのに栄養価が高い食品、ということでダイエット中の人には、おすすめの食材になります。 特に、豊富なビタミンB群は、糖質や脂質・たんぱく質のカロリーをエネルギーに変えるための補酵素となります。

糖質をしっかりとエネルギーに変えて消費することで、余分な体脂肪を身体に残さない効果があります。 豊富な食物繊維は、腸内環境を整える効果もありますので、コレステロールの吸収も抑えて、生活習慣病の予防やダイエット効果もあります。

抗ウイルス性物質βグルカン

しいたけには、様々な優れた栄養素が含まれますが、中でも干ししいたけに含まれるβグルカンは免疫力を高めるなどの効果があります。

βグルカンは、単糖類のぶどう糖が多数結合した多糖類になります。グルカンは、ブドウ糖(グルコース)の結合の仕方でαグルカンとβグルカンに分かれます。αグルカンは米や小麦に含まれるでんぷんで、βグルカンはデキストリンやグリコーゲンに属する多糖類になります。

βグルカンは、生のしいたけよりも、舞茸や干ししいたけに多く含まれます。βグルカンは炭水化物に含まれる多糖類の一種で、食物繊維の仲間になります。 免疫力を高めるだけではありません。しいたけに含まれるβグルカンは、胃で消化分解されることなく腸までしっかりと届きます。

そして腸内環境を整えたり、コレステロール値の上昇を抑えることができます。 腸内環境を整えることで、不要な物質の排泄を促し、余分なものの吸収を抑えます。そのため、がんの抑制効果がある、ウイルスを撃退する抗ウイルス効果があると、サプリメントなどでも利用されるようになっています。 しいたけの他では、しめじ、舞茸などのキノコ類の他、大麦やオーツ麦でも摂ることができます。

ビタミンDがカルシウムの吸収をアップ

しいたけに含まれるビタミンDは、カルシウムの吸収に絶対に必要な補酵素です。ビタミンDは、紫外線を浴びることで体内でも作られる補酵素ですが、乾燥食品を摂ることでも、しっかりと摂取することができます。

いくらカルシウムを摂っても、カルシウムはリン、マグネシウムをバランスよく摂取し、さらに骨芽細胞が存在することによりビタミンDを補酵素として、「固い骨(硬骨)」になります。 どの栄養素が不足しても、しっかりとした骨を作ることができません。どうしても、栄養不足になりがちな人や、運動不足の中高年の人は、骨密度が低下すると「骨粗鬆症」という病気になるかもしれません。

しいたけの中でも、干ししいたけはビタミンDを多く含む食品です。若い人はもちろん、中高年の女性には、ぜひ取ってほしい栄養素を含む食材になります。

グルタミン酸が脳の老化を予防

しいたけを干して、水に戻すと、旨味成分が凝縮して出ます。この戻し汁を色々な料理の「出汁」に使うことができます。特に煮物を作る時は、かつお節や昆布なども美味しいですが、同じ山の幸を使うため、干ししいたけの戻し汁の出汁の方が、より旨味を増して美味しいです。

その旨味の成分が「グルタミン酸」です。 グルタミン酸は過剰に摂取すると、悪影響を及ぼす心配もありますが、適量のグルタミン酸は「利尿作用」や「血圧低下」「脳の活性化」といった働きがあります。疲労の回復効果もあると言われます。

グルタミン酸を摂ることで、血圧の上昇を抑えて、脳血管性の疾病「脳梗塞」「動脈硬化」「脳出血」を予防し、脳血管性認知症を予防するとも言われます。血圧が高い人は、人口の出汁ではなく、干ししいたけの戻し汁で、出汁を摂って料理をしましょう。

しいたけの選び方

しいたけの原木

しいたけには、小さなものから肉づきが良いどんこと呼ばれるしいたけもあります。最近では、直径が10cm以上もある大きなしいたけもあり、そのまましいたけステーキで食べることもできます。

それでは、しいたけはどんなものを選べば良いのでしょうか。まず、何に使うのかを考えて選びましょう。 煮物などに使う場合は、しっかりとした肉づきのどんこの干ししいたけをおすすめします。肉厚で旨味もあり、食感もしっかりとしています。時間をかけてじっくり煮込むことで、しいたけそのものからも旨味が染み出します。

薄くスライスするなら、普通の生しいたけが一番手頃になります。青椒肉絲や五目ずしなどに入れる時は、こういったしいたけで良いでしょう。 しいたけに肉詰めをしてあげものにしたり焼くなら、ふっくらとしたどんこに近い形のしいたけが使いやすいです。

そして、最近人気のしいたけステーキですが、こちらは滅多に見かけませんが、全国のしいたけ農家の一部で、直径10cmを超える、まるでハンバーグのような大きいしいたけがあります。1枚500円くらいするものもありますが、肉厚で本当においしいです。 見つけたら、ぜひ試してみてください。

しいたけの保存方法

しいたけをそのまま密封容器で保存すると色が変わってしまったり、しなびてしまいます。しいたけはそのままでは水分が出てしまいます。そのため、密封できるタッパー容器などに入れると、逆にしなびてしまうことがあります。

そこで、しいたけの水分が必要以上に出ないように、まずは新聞紙やキッチンペーパーに包んでから、密封容器やジッパー付きの袋に入れてから冷蔵庫で保存しましょう。 使い道が決まっているなら、スライスするなどをしてジッパー付きの袋に入れて、冷凍保存をすることもできます。しいたけは冷凍保存が一番長期保存に向いています。 たくさん買い過ぎてしまったら、ぜひやってみてください。

しいたけの食べ方

しいたけは、生で食べることはできません。 美味しい肉厚しいたけは、そのまま網焼きで食べることをおすすめします。両面が軽く焼き色がついたら、軽く醤油と七味をかけて召し上がって下さい。

焼くときは先に内側を、そして傘の方を下にして焼くと内側に、旨味成分が出てさらに美味しくなります。傘を上にしてあまり長時間焼くと、旨味がおちてしまいますので気を付けて下さい。

しいたけの裏側

他にも、炒め物や味噌汁の具・煮物・焼き物・天ぷら・フライ・肉詰めとしいたけは和洋中、どんな料理にもあう万能食材です。

しいたけは煮物や炒め物の具だけではありません。細かく刻んで、炒飯の具に入れるだけはもったいないです。 しいたけは手軽で健康に良い食材です。今まで、しいたけの食感が苦手だった、あまり好きではなかったという人は、こちらを読んでダイエットや健康のために、一度食べてみて下さい。 食べ方1つで、今までのしいたけに対する見方が変わるかもしれません。

かごに入ったしいたけ
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