ビーツの豊富な栄養と食べ方・保存方法

ビーツ

鮮やかな色と豊富な栄養が特徴のビーツ(テーブルビート)。日本のスーパーでは見かけることは少ないように感じますが、ロシア料理「ボルシチ」で使われるなど、欧州では一般的な野菜です。ビーツの栄養分や食べ方、保存方法を知って、美味しくいただきましょう。

ビーツってなに?

ビーツは、地中海が原産の根菜。英語圏ではテーブルビートと呼ばれています。輪切りにすると年輪のような模様が見られることから、和名では火焔菜(かえんさい)と呼ばれます。砂糖の原料となる甜菜(テンサイ)の仲間としても知られており、その味は野菜の中ではかなり甘いのが特徴です。多く出回るのは6月〜7月頃と11月頃です。

和名火焔菜(かえんさい)
英名Beetroot、table beet
仏名betterave
分類アカザ科フダンソウ属ビート
原産地地中海沿岸
6月、7月、11月頃

てんさい、テーブルビートとは違う?

ビーツはテーブルビートとも呼ばれますが、似た名前にビート(甜菜)もあります。また、見た目が近いものにはラディッシュも。すべて異なる野菜ですので、間違えないようにしましょう。詳しくはこちらで紹介しています。

ビーツとビートの違いは?甜菜とテーブルビートを解説

ビーツの栄養素

ビーツは飲む輸血と称されることもあるほど、栄養豊富な食材です。特に妊娠の可能性がある女性や、妊娠中の女性が摂取することを推奨されている「葉酸」が豊富に含まれているのが特徴です。

エネルギー41kcal
水分87.6g
タンパク質1.6g
炭水化物9.3g
灰分1.1g
ナトリウム30mg
カリウム460mg
マグネシウム18mg
リン23mg
0.4mg
亜鉛0.3mg
マンガン0.15mg
葉酸110μg
食物繊維総量2.7g

ビーツの鮮やかな色素はベタシアニン

ビーツの赤紫色はポリフェノールの一種、ベタシアニンという色素によるものです。赤紫の色素というとアントシアニンが思い浮かびますが、こちらではありません。

ベタシアニンは、植物性の色素ベタライン類の一種で、同じくベタライン類の黄色の色素「ベタキサンチン」とのバランスによって、中身がオレンジ色のもの、黄色いものなどいくつかの品種があります。ベタシアニンを持つ食品は、赤ビーツの他にドラゴンフルーツなどがあります。

ビーツに期待される健康効果

ビーツ

NO(一酸化窒素)の産生

NO(一酸化窒素)は日々の食事や運動によって、体内で一定量が産生され、血行改善や血管を柔らかくする働きを担っていると言われており、動脈硬化の防止につながります。また、血行を改善することで疲労回復や基礎代謝のアップなど、健康な身体作りやダイエットへの効果が期待されています。

カリウムでむくみをすっきり

ビーツに豊富に含まれるカリウムは、体内の余分な塩分を排出し、むくみを防ぐ効果が期待できます。

パントテン酸が動脈硬化を予防

ビーツに含まれるパントテン酸には、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす作用があり、動脈硬化の予防になります。

ベタシアニンの抗酸化作用によるがんの予防

ポリフェノールの一種であるベタシアニンには、強い抗酸化作用があり、老化や細胞のがん化を防ぎます。

食物繊維・ラフィノースが腸内環境を整える

食物繊維や難消化性オリゴ糖「ラフィノース」を含むビーツは、腸内環境を整え、便秘を改善する効果が期待できます。

肝機能を高める

甘味成分ベタインには、肝機能を高め、肝臓に脂肪がつくことを防ぐ作用があり、肝硬変や肝脂肪の予防になります。

ビーツの選び方

直径7〜8cm程で、きれいな丸になっているものを選ぶと良いでしょう。皮がなめらかで、むけていないものがおすすめです。

ビーツの保存方法

ビーツの葉は切り取り、その場で茹でるなどして料理します。ビーツ本体は、新聞紙で包んだり、ビニール袋に入れるなどして、冷蔵庫の野菜室に保管。保管期限は1週間〜10日ほどが目安です。

ビーツの食べ方

茹でて食べる

ビーツは固いので、火を通してから食べるのが一般的です。茹でる時栄養や色が流れてしまわないよう、皮はむかず丸ごと茹でるのがポイントです。

  1. 沸騰したお湯にお酢を少し入れる
  2. 洗ったビーツをお湯に入れ、10分以上茹でる
  3. 時々、火の通り具合を確認しながら、中までしっかり火を通す

茹でるときには、少量のお酢を入れることで風味を変えずに、きれいな赤色を出すことができます。

オーブンで焼く

より風味を楽しみたい時には、オーブンでローストするのがおすすめです。

  1. アルミホイルの上にカットしたビーツを並べる
  2. オリーブオイルをかける
  3. アルミホイルを覆いかけ、180~190℃で焼く

ローズマリーやハーブなどを入れて焼けば、香りを楽しむこともできます。

生で食べる

少しクセがありますが、生のままジュースにしたり、サラダにしたりして食べるのも◎。クセを抑えて食べたいという場合にはピクルスにするのもおすすめです。

生のビーツが手に入らないときには、缶詰が便利

一般のスーパーなどでは、なかなか手に入りづらいという方は、ビーツの缶詰を利用すると便利です。サラダに入れたり、ボルシチを作るときにも重宝しますよ。

ビーツの栄養と保存方法、食べ方をご紹介してきました。近所のスーパーなどではなかなか手に入りづらい食材ではありますが、栄養はとっても豊富。ぜひ缶詰などを利用して日々の食生活に取り入れてみてくださいね。

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