じゃがいもは国内で最も多く生産されいる野菜。肉じゃが、カレーなど、さまざまな料理に使われており、とても身近な野菜です。フランス語では「畑のりんご」と言われるじゃがいもには、どのような栄養分が含まれているのでしょう。じゃがいもの栄養や保存方法、食べ方についてご紹介します。
じゃがいもの特徴は?
じゃがいもは、ナス科ナス属で原産地は南米アンデス山脈の高原地です。土の中で成長するため根の部分だと思われがちですが、土中にある地下茎にでんぷんが貯まって肥大したものです。
和名では馬鈴薯といわれます。数多くの品種があるじゃがいもですが、日本で栽培されている主なものには、男爵、メークイン、キタアカリ、出島、インカのめざめ、アンデス赤があります。じゃがいもが多く出回る時期は、8~10月ごろと、5~6月ごろ(新じゃが)です。
じゃがいもの栄養素
じゃがいもの主成分は炭水化物ですが、他のイモ類やコメに比べても低カロリーなのが特徴です。じゃがいもに含まれるビタミンCの量はイモ類の中でも群をぬいて多く、他にも、ビタミンB群、体内のナトリウム排出する作用があるカリウムが含まれています。
エネルギー | 76kcal |
水分 | 79.8g |
タンパク質 | 1.6g |
炭水化物 | 17.6g |
カリウム | 410mg |
マグネシウム | 20mg |
リン | 40mg |
鉄 | 0.4mg |
亜鉛 | 0.2mg |
マンガン | 0.11mg |
ビタミンB1 | 0.09mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ビタミンB6 | 0.18mg |
ビタミンC | 35mg |
食物繊維総量 | 1.3g |
※可食部100gあたり
ソラニン
じゃがいもの芽や皮の緑色の部分には、ソラニンという毒素がふくまれています。ソラニンはアルカロイド配糖体で多く食べると、吐き気、めまい、下痢、腹痛などの中毒症状の原因となります。調理時には、芽や緑色に変色した部分は完全に取り除くようにします。
じゃがいもに期待される健康効果
加熱しても壊れにくいビタミンCが免疫を高める
ビタミンCは水溶性ですが、じゃがいものビタミンCはでんぷんに保護されているため、調理しても損失しにくいのが特徴です。ビタミンCは免疫を高めるので、風邪を予防する効果が期待されます。
じゃがいもに鉄分プラスで貧血予防
鉄はミネラルのなかでも身体に吸収されにくい栄養素ですが、ビタミンCには、鉄分の吸収を助ける働きがあります。レバー、貝類、大豆製品とじゃがいもを組み合わせて食べると、貧血予防につながります。
カリウムが高血圧を予防
じゃがいもに含まれているカリウムは、体内の塩分濃度を調節する働きがあり、高血圧の予防に効果があるとされています。
クロロゲン酸でがん予防
じゃがいもの皮や皮に近い部分には、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が含まれています。クロロゲン酸は抗酸化力が強く、がん細胞の生育を抑える機能があることが報告されています。
じゃがいもの選び方
じゃがいもは品種に関わらず、ふっくらとした重量感のあるものを選びます。男爵やキタアカリは、中ぐらいのものが良く、メークインやホッカイコッガネは大きいものでも大丈夫です。皮にしわがよっている、芽が出ている、皮が緑色になっているものは避けましょう。
じゃがいもの保存方法
じゃがいもは比較的保存が効く野菜です。保存するときには、有毒物質のソラニンが発生しないように、新聞紙や紙袋で包み、涼しくて暗い風通しの良い場所で保存します。りんごから発生するエチレンが発芽を抑制するので、長期保存の場合はリンゴと一緒に保存すると良いようです。
じゃがいもの食べ方
蒸す
良く洗って皮つきのまま切らずに蒸すと、じゃがいもの成分やうまみが逃げ出さず、ホクホクに仕上がります。中ぐらいのじゃがいもで約30分、大きいのだと約1時間で蒸しあがりますが、竹串などを指して火の通り具合を確認します。蒸したじゃがいもには、バターや塩などをつけていただきます。蒸したじゃがいもを潰すと、マッシュポテト、ポテトサラダ、コロッケ、いももちの材料となります。加熱しあとに潰して使う料理には、男爵がおすすめです。
煮る
じゃがいもを煮るときは、水から煮ます。切ったあとに水にさらしたり、60~70度の温度で約10分間ゆでると、煮崩れしにくくなります。肉じゃがや、カレー、シチューなどの煮込み料理に使う際に、形が崩れるのを防ぐことができ便利です。メークインが煮崩れしにくく、しっかりと形を保ってくれるので、煮込み料理や煮物に向いています。
揚げる
油と相性の良いじゃがいも。酸化しにくく、加熱調理をしても安心なオリーブオイルを使って、ヘルシーにいただきましょう。揚げ焼きにすると、少ない量の油でも美味しく食べることができます。
生で食べる
生のままサラダにすると、シャキシャキとした食感が楽しめます。加熱調理と違って調理の手間もかからないので手軽に食べられます。
- スライサーなどを利用して薄くきり、細かい千切りにする
- 冷水ででんぷん質を落とす
- オリーブオイル、塩・こしょうで味を整える
クレソンをちらしたり、オリーブオイルの代わりにごま油と醤油をかけても美味です。
じゃがいもの栄養と保存方法、食べ方をご紹介してきました。味がたんぱくで、どんな食材とも馴染みやすいじゃがいも。日々の食事に取り入れて、ビタミンCやカリウムなど豊富に含まれている栄養分を上手にとっていきたいですね。