ゴーヤーの豊富な栄養と食べ方・保存方法

ザルの上のゴーヤ

夏の健康野菜といえば、ゴーヤー。縄文時代の遺跡から種が発見されたほど、昔から日本にある野菜ですが、身近な野菜として定着したのは、沖縄料理が全国的にブームがきっかけです。ゴーヤーチャンプルーの主な食材として人気を博しました。ゴーヤーのツルを利用した緑のカーテンも、夏の風物詩となっています。ゴーヤーの栄養分や食べ方、保存方法を知って、美味しくいただきましょう。

ゴーヤーの特徴

ゴーヤーは、インド、ボルネオなど熱帯アジア原産のウリ科ツルレイシ属の果菜です。ツルレイシ、ニガウリとも呼ばれ、ツルレイシは漢字で蔓茘枝と表記されます。一般的に流通しているのは「中長ゴーヤー」です。他には、太くてずんぐりした「太レイシ」、全体が真っ白な「白レイシ」があり、いぼには丸みがあり、苦味が少ないのが特徴です。ゴーヤーがよく出回る時期は6~9月です。

なお、ゴーヤは濃い緑色をしていますが、熟してくると黄色がかった色に変化します。成熟が進んだゴーヤと腐ったゴーヤの見分け方はこちらで紹介しています。

学名Momordica charantia
分類ウリ科
原産地東インド、熱帯アジア

ゴーヤーの栄養素

夏の暑さで食欲が低下気味の時には、ゴーヤーの独特の苦みが食欲を高めてくれます。この苦味の成分であるモモルデシン以外にも、ミネラル、ビタミンC、ビタミンEが含まれており、夏を元気に乗り切るのに役立つ野菜です。

エネルギー17kcal
水分94.4g
タンパク質1.0g
炭水化物3.9g
灰分0.6g
カリウム260mg
カルシウム14mg
マグネシウム14mg
リン31mg
0.4mg
亜鉛0.2mg
マンガン0.10mg
葉酸72μg
ビタミンC76mg
食物繊維総量2.6g

可食部100gあたり

ゴーヤに期待される健康効果

カリウムが夏バテを防止

ゴーヤーに含まれるカリウムには、ナトリウムの排出を促進する働きがあります。体内の水分バランスを調整に役立ち、夏バテの防止に有効です。

苦味のモモルデシンで食欲増進

ゴーヤーの苦み成分モモルデシンはフラボノイド系の成分で、胃液の分泌を促進させることから、食欲を高める効果があるといわれています。

モモルデシンで肝機能の強化

ゴーヤーに含まれるモモルデシンには、毛細血管を丈夫にして血液循環をよくする働きがあり、動脈硬化を予防、コレステロールを低下、肝臓機能を強化させる作用があるといわれています。

ビタミンたっぷりで美肌・老化防止も

ゴーヤーには加熱しても壊れにくいビタミンCが含まれています。ビタミンCには強い抗酸化作用があり、メラニン色素の沈着を防ぐことから美肌効果が期待されます。ゴーヤーにはビタミンE、ベータカロテンも含まれており、これらのビタミン類をあわせて摂取することで抗酸化作用がより強固になるといわれています。

ベータカロテンで老化抑制

ゴーヤーに含まれるベータカロテンは、抗酸化作用により、細胞の老化を抑制し、がんや動脈硬化の予防につながる効果が期待されています。

チャランチンによる血糖値の低下

ゴーヤーに含まれているチャランチンには、血糖値を下げる作用があることが報告されています。

ゴーヤーの選び方

イボがとがっていて張りがあり、密集しているものが良品といわれています。皮は緑色が濃いほうが味が良いといわれますが、苦味もやや強くなります。イボが黒ずんでいたり、つぶれているのは、鮮度が落ちていることを表しています。下部がひびわれているものは、熟しすぎているので避けたほうがよいでしょう。

ゴーヤーの保存方法

ゴーヤーは常温においておくと、熟成が進み実が黄色になってしまいます。水気と乾燥に弱いので表面の水気をとり、新聞紙でくるむか、ポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室など涼しいところに保存します。すぐに使わない場合は、縦に切ってワタとタネを除き、ラップに包んでから野菜室で保存すると、鮮度を保つことができます。

ゴーヤーの食べ方

生で食べる

ゴーヤーは、サラダや、和風のおひたしや酢の物にしても美味しくいただけます。下茹でするとビタミン類をうしないます。苦味が気になる場合は、塩もみをして10分おき軽く洗い流して食べるようにします。

天ぷらにする

ワタの部分には果肉よりも多くのビタミンCが含まれているので、なるべくワタを残して調理すると、ビタミンCを効果的に摂取できます。ゴーヤーをそのまま輪切りにして天ぷらにすれば、ワタも気にならずに美味しく食べることができます。熟してくるとタネが固く食べにくくなるので、新鮮なゴーヤーを使うのがおススメです。

ゴーヤーチャンプル

ゴーヤーは、油で炒めるとベータカロテンや、脂溶性のビタミンKの吸収効率を高めることができます。

  1. ゴーヤーは縦半分に切り、半月切りにする
  2. 卵を半熟に炒め、皿に取り分けておく
  3. 豚肉、水切りした豆腐、ゴーヤーを炒める
  4. 卵を加え、醤油とみりんで味を整える

好みで、鰹節をかけても美味しくいただけます。

ゴーヤーの栄養と保存方法、食べ方をご紹介してきました。ゴーヤーの独特の苦みには、健胃作用や食欲を増進する働きがあり、夏バテ予防の効果が期待できます。おひたし、酢の物、カレー、中華風の野菜炒めと、和洋中を問わずに使える野菜です。ゴーヤーレパートリーを増やして、毎日の食事に取り入れていきたいですね。

ザルの上のゴーヤ
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